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シマンテック、仮想化ソリューションの検証・体験施設を新設

VMware、XenServer、Hyper-Vとの製品連携を紹介

テクノロジー統括本部 執行役員 統括本部長の足立修氏
 株式会社シマンテックは7月28日、仮想化ソリューションの検証・体験施設「仮想化ソリューションラボ(以下、vLab)」を新設すると発表した。米Symantecのソフトを日本国内へ提供するために必要な技術検証を行うジャパンエンジニアリングセンター内に設置し、各種仮想化技術とシマンテックのデータセンター向け製品を複数組み合わせた仮想化ソリューションを紹介していく。

 シマンテックは、仮想と物理の両環境において、マルチプラットフォームをカバーできる豊富な管理ソフト製品群を有している。今回、仮想化技術の検証が行えるvLabを新設した理由を、テクノロジー統括本部 執行役員 統括本部長の足立修氏は、「シマンテックがハードウェア・アーキテクチャに依存しないソリューションを提供できる立場にいるからだ」と述べる。実際、シマンテック製品の仮想化関連機能は、「VMware、Citrix、Microsoftなど各種の仮想化技術に対して、何ら変更を加えずにそのまま連携を取ることができる」という。こうしたマルチプラットフォーム対応の強みを生かし、仮想化環境の最適な管理手法を提案していく方針だ。

 vLabは、シマンテック製品の仮想化関連機能をいち早く検証し、その結果を基に最適なシステム構成やソリューションを顧客やパートナー企業にデモンストレーションして紹介する役割を担う。さらに、オペレーションやトラブルシューティングなど現場のニーズにも応えるため、ハンズオン形式のセミナーで技術概要や構築手法だけでない運用のレクチャーも行っていくという。

 具体的にデモ内容としては、「VMware ESX Server(以下、ESX Server)」とシマンテック製品を組み合わせた「データ保護」「アプリケーションの可用性」「仮想環境の展開と管理」「サーバーの可用性と仮想環境への移行支援」の4つの実現方法を紹介する。


vLabで行うデモンストレーションの内容。フェーズ1では、VMwareとシマンテック製品の連携を紹介 仮想化ソリューションアーキテクチャの概要 仮想化に関連するシマンテックソリューション。物理環境でマルチプラットフォームに対応していたのと同様に、仮想環境も区別することなくシームレスに管理できるのが、シマンテック製品の強みという

ラック1台に集約されたvLab環境
 データ保護では、VMware自体が持つバックアップ技術「VMware Consolidated Backup(以下、VCB)」とシマンテックのバックアップ製品「Veritas NetBackup(以下、NBU)」を組み合わせて、仮想マシンに負荷のかからないバックアップ環境を実現する。NBUには、VMwareのイメージをスナップショットとして別のサーバー上に移し替える機能が備わっている。これを使ってバックアップ環境を本番環境から移すことで、負荷を軽減した仮想マシンのバックアップが実現するという。デモシナリオとしては、「NBUのGUIおよび機能の紹介」や「スナップショットを利用したオフホストバックアップ」「ファイル単位のリストア」「仮想マシン全体のリストア」などを予定する。

 アプリケーションの可用性では、冗長化ソフト「Veritas Cluster Server for VMware ESX(以下、VCS for VMware)」により、仮想マシンとその上で動くアプリケーションの冗長化、およびそれらの状態監視を実現する。デモでは、ハードウェア障害からのサービス保護手法などを紹介。「VCS for VMwareコンソールと機能の紹介」「仮想マシンのスイッチオーバー」「仮想マシン上のアプリケーションリソースのフェールオーバー」などをデモシナリオとして用意している。

 展開と管理では、システム管理ソフト「Altiris Deployment Solution(以下、Altiris DS)」により、ESX Serverの展開をGUI上からドラッグ&ドロップで行うことができるようになる。またAltiris DSでは、VMwareの仮想マシン管理インターフェイス「VMware VirtualCenter Server」を利用して、仮想マシンの管理を行うためのサンプルジョブが提供される。あらかじめ「ESX Serverインストール」「仮想マシンの電源ON/OFF」などが定義されたサンプルジョブをドラッグ&ドロップすることで、任意の仮想マシンを簡単にデプロイしたりすることも可能になる。デモシナリオとしては、「Altiris DSコンソールと機能の紹介」「同コンソールからESX Serverのインストール」「同コンソールから仮想マシン上へのLinuxインストール」などを予定する。

 最後のサーバーの可用性および移行支援では、「Symantec Backup Exec System Recovery(以下、BESR)」による仮想サーバーの可用性向上とP2V・V2P双方の移行を実現する。BESRには、物理マシンのディスクイメージを仮想マシン上にアップロードする機能がある。これにより、物理環境の故障時にも対応するサーバーの可用性向上が果たせる。また、仮想マシン上のイメージを物理マシンに移すこともできるので、これらを活用することで、物理・仮想環境のシームレスな移行が実現するというわけだ。デモシナリオとしては、「BESR GUIと機能の紹介」「物理・仮想環境双方向のディスクイメージ移行」などを予定する。


 また上記で紹介した以外にも、仮想化環境のセキュリティ・ITコンプライアンスとして、エンドポイントセキュリティ製品「Endpoint Protection」、スパムメール対策製品「Mail Security」、ITポリシー順守・監査製品「Enterprise Security」、情報漏えい対策製品「Vontu」などのデモンストレーションも行っていく方針。

 vLabでは、これらVMware関連のデモンストレーションをフェーズ1として7月よりスタート。その後、9月よりフェーズ2として「Citrix XenServer」に関するデモを、11月よりフェーズ3として「Hyper-V」に関するデモを同様に順次開始する予定。



URL
  株式会社シマンテック
  http://www.symantec.com/jp/
  ニュースリリース
  http://www.symantec.com/ja/jp/about/news/release/article.jsp?prid=20080728_01

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  ・ シマンテック、VMware仮想化環境での最適なバックアップ手法を説明(2008/06/20)


( 川島 弘之 )
2008/07/28 17:54

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