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日本オラクル、米本社のEPM戦略説明会をWebキャストで紹介


米Oracleの社長、チャールズ・フィリップス氏(Oracle OpenWorldの基調講演より)

2007年のBI事業の成長率

マネジメント・エクセレンスの3つのコンセプト
 日本オラクル株式会社は7月28日、米Oracleが7月16日(米国時間)に開催したエンタープライズ・パフォーマンス管理(EPM)に関する説明会を、プレス向けにWebキャストで上映した。このWebキャストでは、「Oracle EPMによるマネジメント・エクセレンスの達成」をテーマに、同社のEPM戦略や新製品「Oracle Enterprise Performance Management System(Oracle EPM System)」の特徴などが紹介された。

 まず、EPM事業の現状について、Oracle社長のチャールズ・フィリップス氏は、「これまで当社は、企業におけるビジネス運営の効率アップを支援するテクノロジーやインフラを提供してきたが、現在、顧客のニーズはオペレーション・エクセレンス(卓越した業務遂行)からマネジメント・エクセレンス(卓越した経営管理)へと変化してきており、効果的なビジネス運営を実現するマネジメントソリューションが求められるようになってきた。こうしたニーズの変化に対応するため、当社ではEPMおよびBIプラットフォームへの取り組みに注力しており、すでにインテグレーションを実現し、この分野で競合他社よりも急速な成長を遂げている。2007年の実績では、BI市場全体の成長率が13%だったのに対し、当社のEPMおよびBI事業の業績は105%の成長率を達成した。これは、顧客に当社のプラットフォーム製品が実際に活用され、評価されている証拠だ」と述べた。

 次に、Oracle ビジネス・インテリジェンス&パフォーマンス管理担当シニア・バイスプレジデントのジョン・コプキ氏が、マネジメント・エクセレンス実現に向けたEPM戦略について説明。「顧客企業をマネジメント・エクセレンスに導くためには、現在稼働しているERPのシステムとプロセスをEPMへと変えていく必要がある。すでに多くの企業がERPやCRMのシステムを導入し、同じようなデータをもっている現状においては、そのデータをどう活用するかが今後の大きな差別化ポイントであり、これこそがマネジメント・エクセレンスといえる」と指摘した。

 コプキ氏は、マネジメント・エクセレンスのコンセプトとして、1)スマート、2)機敏、3)連携、の3点を挙げた。スマートについては、「システムを合理化することが重要。複雑化するシステムをスマートにして、取り扱っているデータをより早く深く理解することで、競合に比べて有利なマネジメントを行うことが可能となる」。また、機敏では、「全社員が新しい戦略を理解し、足並みをそろえて、いち早く動ける体制を作る必要がある」。最後の連携については、「全社員が、企業内で同じ情報にアクセスでき、その洞察を共有できなくてはならない」とした。


「Strategy for Success」のフレームワーク

「Oracle EPM System」の製品体系

「Oracle EPM Workspace」の特徴
 そして、これを実現するためのEPMのビジョンとして「Strategy to Success」というフレームワークを発表。「当社のEPM製品は、体系だった形で主要なマネジメントプロセスを特定し、定義し、ERPと同様にそのプロセスを実現できる土台と能力を提供する。とくにこのプロセスでは、計画作成だけでなく、実践に移して、どうやって実績を得ていくかがカギになる」という。

 こうしたEPM戦略をベースに、Oracle オラクル・サーバー技術開発担当シニア・バイスプレジデントのトーマス・クリアン氏が、Oracle EPM Systemの特徴について説明した。

 Oracle EPM Systemは、「Oracle Fusion Middleware」のコンポーネントで、共通の基盤を土台に、戦略・財務・業務に対応した経営管理プロセスをサポートする。今回の次世代バージョンには、多くのイノベーションと新機能を搭載しており、ビジネス上のインサイト(洞察)と意思決定の改善が可能となる。

 主な機能としては、さまざまな情報に1カ所からアクセスできるポータル機能「Oracle EPM Workspace」を提供。「このポータルを通じて、ユーザーはビジネスを管理するための情報すべてにアクセスすることができ、プランニング、コンソリデーションを始め、ビジネスのダッシュボード、レポートなどの成果物もポータル上からチェックできる。さらに、デスクトップガジェットという新しい技術を導入。これにより、BIツールやファイナンシャルレポーティングツールなどの情報がすべてガジェットに集約され、デスクトップ上に最新の情報がリアルタイムで表示されるようになった」(クリアン氏)という。

 また、「Oracle Essbase」との統合を強化。Oracle Essbase用のウィザード形式の新型デザイン環境「Essbase Studio」を提供し、多次元分析キューブやアプリケーションの作成、展開、管理を簡素化する。さらに、新開発の共用「Calculation Manager」により、プランニングや財務統合アプリケーションを通じて、ビジネスルールを図式でわかりやすく設計、認証、管理することが可能となっている。



URL
  日本オラクル株式会社
  http://www.oracle.co.jp/


( 唐沢 正和 )
2008/07/28 19:40

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