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富士通、2008年度第1四半期は増収増益-企業向けPCが好調


経営執行役上席常務(CFO)の加藤和彦氏
 富士通株式会社は7月31日、2008年度第1四半期連結決算を発表した。売上高は前年同期比0.9%増の1兆1772億円、営業利益は前年同期比97.2%増の58億円、経常利益は前年同期比141.9%増の84億円。当期純利益は前年同期がマイナス147億円だったのに対し3億円と増収増益となった。

 セグメント別にみると、テクノロジーソリューションの売上高は前年同期比147億円増の6979億円、営業利益は前年同期比43億円増の82億円と増収増益。このうち、サービス分野は、売上高が前年同期比126億円増の5551億円、営業利益が前年同期比31億円減の119億円となった。もうひとつのシステムプラットフォーム分野は、売上高が前年同期比21億円増の1427億円、営業利益が前年同期比74億円増ながらもマイナス37億円となった。

 同社経営執行役上席常務(CFO)の加藤和彦氏は、「サービスに関しては、ソリューション/SIが前年同期比で6.4%増と好調だった。海外に関しては、欧州での民需系ビジネスの拡大に伴う初期コスト負担の影響を受け、前年同期比で4.8%減となった」と説明。システムプラットフォームに関しては、「携帯電話基地局やキャリア向けルーターなどの伸長により、国内の売上は11%増。これに対して海外では、PRIMEPOWERの販売終息などにより一時的な需要の重複が生じて減収となった」(加藤氏)と説明した。

 ユビキタスプロダクトソリューションでは、売上高が前年同期比27億円減の2718億円、営業利益が前年同期比24億円減の99億円。国内は、携帯電話が買い換えサイクルなどの影響を受けて減収となったものの、企業向けPCが伸長したことで前年同期比で6.7%増。海外に関しては、欧州でのPCの競争激化の影響を受け、14.5%減となった。「携帯電話に関しては、昨年の第1四半期にらくらくホンの販売が好調だったこともあり、出荷台数で11%減となった。営業利益に関しては、携帯電話の高機能化によるコスト増が影響し、減益となった」(加藤氏)としている。

 デバイスソリューションは、売上高が前年同期比166億円減の1723億円、営業損益は11億円悪化しマイナス47億円となっている。地域別の売上高をみると、国内が前年同期比13.5%減の1074億円、海外が0.2%増の649億円となった。「基盤ロジックに関しては、岩手・宮城内陸地震の影響で工場の操業が一時停止した影響を受けた。海外に関しては、アジア向けを中心にロジック製品が伸長した効果があった」(加藤氏)と説明している。


 通期の業績見通しに関しては、5月公表時の計画のままとすると説明。「先行き不透明感はあるものの、第1四半期をみると計画を上回っており、現時点では計画を変更するだけの要因は見つかっていない。ただし、第4四半期に売上が集中する傾向があるので、市場の不透明感がリスクとなるおそれもあるので、確実に手を打っていきたい」(加藤氏)とした。



URL
  富士通株式会社
  http://jp.fujitsu.com/
  2008年度第1四半期連結決算概要
  http://pr.fujitsu.com/jp/ir/finance/2008q1/


( 福浦 一広 )
2008/08/01 00:00

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