マイクロソフト株式会社主催のシステム管理者向けイベント「Microsoft Management Summit 2008 Japan(以下、MMS)」が8月26日から4日間、横浜市のパシフィコ横浜でTech・Edと共同で開催されている。8月27日には、「Dynamic IT:仮想化新時代のIT運用」と題し、米Microsoft マネージメントアンドソリューションディビジョン、ジェネラルマネージャのブラッド・アンダーソン氏の基調講演が行われた。
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米Microsoft マネージメントアンドソリューションディビジョン、ジェネラルマネージャのブラッド・アンダーソン氏
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データセンターからデスクトップまで仮想化に対応
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アンダーソン氏は、前日行われたTech・Ed基調講演に触れ、「昨日も紹介したが、Dynamic ITは、仮想化・モデル・サービス・ユーザー中心といった革新により、企業のIT管理に対して、複雑性への対応や情報の保護、ビジネスの加速、生産性の向上を実現するもの。どこからスタートするかのマップ作りが重要になる」と紹介。基調講演では、この中の仮想化を中心に説明が行われた。
「仮想化と聞くと、ハードウェアの仮想化だけをイメージされるだろうが、アプリケーションの仮想化やプレゼンテーション層の仮想化など、さまざまな仮想化が存在する。Microsoftは、さまざまな仮想化を提供する唯一のベンダーだ」と、総合的に仮想化に対応している点を強調。
「サーバー仮想化では、Hyper-Vをリリースした。このHyper-VはMicrosoft社内では1年前から稼働しており、TechNetといったサービスを提供するWebサーバーもHyper-Vで動作している。われわれにとってのミッションクリティカルな領域で十分実用化している」と、ベータ版の段階からアクセス数の高いWebサイトで実運用してきたことを紹介した。
「デスクトップの仮想化では、Virtual PCを提供している。この領域では、3月に米Kidaroを買収し、さらなる強化を図っている。Kidaroの買収により、アプリケーションのみを仮想化することが可能になり、どのOSが動作しているのかを意識することなく利用できる」とした。
「アプリケーションの仮想化では、SoftGridを提供している。SoftGridを利用することで、OSとアプリケーションの分離が可能になり、バージョンの異なるアプリケーションを同時に動作させることができる。これにより、互換性の問題を気にすることなく利用できる。SoftGridは近日中にバージョンアップを予定しており、日本語化もおこなわれる」と述べた。
基調講演では、IT資産管理ツール「System Center Configuration Manager」、運用管理ツール「System Center Operations Manager」、バックアップ管理ツール「System Center Data Protection Manager」、仮想マシン管理ツール「System Center Virtual Machine Manager」など、System Center各製品を紹介。
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インテル株式会社の廣田洋一氏
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Configuration Managerでは、vProと組み合わせて使うメリットを、デモを交えて紹介。インテル株式会社の廣田洋一氏は、「vProが提供する運用管理やセキュリティといった機能は、ハードだけで実現するものではなく、ソフトの力が重要。Configuration Managerと組み合わせることで、PCやOSの状態に関係なく、リモートでクライアントPCの電源をオンオフしたり、インベントリ情報を収集したり、PCのBIOS画面を表示することも可能。また、IDEのリダイレクション機能を利用すれば、クライアントPCのHDDに障害が起こった場合でも、ネットワーク経由で起動することも可能」と、Configuration Managerから一元管理できるメリットを紹介した。
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電源が入っていない複数のクライアントPC
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Configuration Managerから遠隔操作で電源をオンにする。起動するPCを選択
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「電源オン」を選ぶだけでOK
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クライアントPCの電源をオンにできた。オフにするのも可能
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また、Operations ManagerとVirtual Machine Managerを組み合わせることで、仮想マシンに障害が発生した場合でも、自動的に再配置も行えるようになると紹介。これは、いろいろなサービスをコンポーネント化し、モデル化することで実現するもの。「モデルはDynamic ITでも中核となるもの。モデル化することで可視化でき、さまざまな問題を把握することができる」と述べた。
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ビジネスプロセスやアプリケーションなど、さまざまなモデル化が可能
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ヘルスモデルの例。どこで障害が発生したのかが一目で確認できる
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Linuxなどにエージェントソフトを組み込むことで、Operations Managerから一元管理可能になる
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Operations Managerでは、異種プラットフォームの運用管理を実現する「Microsoft Cross-Platform Extensions」を紹介。これを利用することで、LinuxやSolaris、HP-UXといったWindows以外のOSをOperations Managerから一元管理できるようになる。現在、ベータ公開しており、2009年上期に正式リリースされる。
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開発中のMicrosoft Cross-Platform Extensionsのデモ。AIXやHP-UX、Linuxなどの管理が可能
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稼働状況を確認することができる
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パフォーマンスも把握可能
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接続されている機器をダイアグラム化して表示することも可能。障害個所も簡単に把握できる
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障害が発生した場合も簡単に確認できる
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また、Hyper-Vをサポートする次期Virtual Machine Manager「Virtual Machine Manager 2008(VMM 2008)」も紹介。VMM 2008では、Hyper-Vをサポートするほか、VMware ESX Serverも一元管理できるのが特長。これにより、ESX Server上の仮想マシンの設定を行ったり、起動・終了といった操作も行える。
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左がVirtual Machine Manager 2008、右がVMware VirtualCenter。同じように仮想マシンを管理できる
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仮想マシンの情報も同じように把握可能
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Virtual Machine ManagerからESX Server上の仮想マシンを起動することもできる
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デモでは、Configuration ManagerとMicrosoft Deployment Toolkitを組み合わせることで、物理マシンの展開も容易になることも紹介された。
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Configuration ManagerからWindows Server 2008の展開方法を設定できる インストール時に必要な項目をあらかじめ指定することで自動的にOSを展開できる
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インストール時に必要な項目をあらかじめ指定することで自動的にOSを展開できる
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デバイスドライバの展開にも対応
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Windows Server 2008の場合、役割も展開できる
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次期Forefront「Stirling」では、デスクトップからネットワークまで統合管理が可能
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そのほか、基調講演では、セキュリティソリューション「Forefront」の次期バージョン「Stirling(開発コード名)」も紹介。Forefrontは、クライアントOSのセキュリティ管理のほか、アプリケーションサーバーのセキュリティ、ネットワークのエッジ部分のセキュリティを管理するさまざまな製品で構成されるセキュリティソリューションだが、Stirlingでは、これらさまざまなセキュリティ製品を一元管理することが可能になる。基調講演では、クライアントPCがウイルスに感染したのをStirlingで感知し、感染したPCをネットワークから隔離するデモも行われた。
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ウイルス感染したクライアントPC上をネットワークから隔離するまでを一貫して実行できるところをデモ
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ウイルス感染すると、クライアントPC上で警告
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StirlingでもクライアントPCがウイルス感染したことを把握。どのような種類のウイルスかも特定できる
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感染したPCを検知すると、あらかじめ設定された内容にしたがい、ネットワークから隔離を実施
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感染したクライアントPCからはネットワークに接続できなくなっているのが確認できる
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■ URL
マイクロソフト株式会社
http://www.microsoft.com/japan/
Microsoft Management Summit 2008 Japan
http://www.event-marketing.jp/events/te08/overview/mmsOverview.htm
( 福浦 一広 )
2008/08/27 17:21
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