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米Embarcadero Technologies、Delphiプロダクトマネージャーのニック・ホッジス氏
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Delphi 2009/C++Builder 2009バンドル版
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エンバカデロ、マーケティングディレクターの藤井等氏
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エンバカデロ・テクノロジーズ合同会社(以下、エンバカデロ)は9月8日、「Delphi 2009」と「C++Builder 2009」に関する説明会を開催。米Embarcadero Technologies、Delphiプロダクトマネージャーのニック・ホッジス氏が新版の特徴などについて説明を行った。
Delphi/C++Builderは、WindowsアプリケーションのRADツール。新版では、Unicodeに対応したのをはじめ、Windowsネイティブ開発を支援する多数の新機能が搭載されている。
ホッジス氏は「開発マーケットが国際化するに伴い、開発者は多言語データを使用し、日本でローカライズしたアプリケーションを多言語向けに改良したいというニーズを抱えている。また、マイクロソフトは.NETにフォーカスを移し始めているが、ネイティブ開発のニーズは依然として高い」と説明。その上で「当社としては、新たなテクノロジーや環境へ対応やIDEの生産性向上を進めつつ、ニーズに応えていかなければならない」と意気込みや新版のベネフィットを述べた。
新版では、Unicodeに対応。IDE、コンパイラ、フレームワーク、ランタイムすべてにおいて、ANSIとUnicodeデータ双方のシームレスな利用を可能にした。さらにハイスピードWin32ネイティブコンパイラやISO標準準拠のC++コンパイラを備え、「ネイティブコンパイラとしては最速を自負している」(同氏)とアピールした。
新テクノロジーへの対応としては、Windows Vista/Server 2008に対応。併せて、Office 2007のリボンコントロールを含む新たなVCL(Visual Component Library)コンポ-ネントを搭載したほか、PNGイメージもサポートした。IDEも機能強化が図られ、主にプロジェクト管理機能が強化されているという。具体的には「ビルド設定の共有、リソースハンドリング機能などが新たに盛り込まれている」(同氏)。
さらにDelphi 2009では「クラスエクスプローラ」を、C++Builder 2009では「プリコンパイルヘッダウィザード」をサポート。特にプリコンパイルヘッダウィザードでは、「わずか20行ほどのコードでも膨大なコンパイルが行われるC++において、あらかじめ複雑なヘッダをコンパイルしておくことで、圧倒的な変換時間の短縮が可能になる」(エンバカデロ、マーケティングディレクターの藤井等氏)という。
そのほか言語機能の強化として、Delphi 2009では「ジェネリックス」や「無名メソッド」などを、C++Builder 2009では「C++0x」などをサポートしている。
こうした特徴をアピールしたホッジス氏は、「当社の目標は、開発サイクル全体をカバーすること。データベースを作り、アプリケーションを作り、実装するという一連のサイクルを、すべてのプラットフォームで支援することだ。今後も開発者の生産性を向上し、コラボレーションをより効率的に行えるよう、またさまざまな環境・プラットフォームに対応できるよう注力したい」と、エンバカデロの方針、意欲を述べた。
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新版の主な特徴
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VCLコンポーネントの強化
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IDEの機能強化
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日本における取り組みとしては、Delphi/C++Builder市場の“再活性化”をキーワードにさまざまな活動を展開する予定。「これまではフリーエディションや技術情報を提供してきたほか、コミュニティの連携や日本の開発者がグローバルのフィールドテストプログラムに参加できるような“場”の提供を行ってきた。今後も、Delphi 2009やC++Builder 2009の概要をホッジス氏自らがデモを行うプレビュービデオを配信するほか、第10回となるデベロッパーキャンプでは、Delphi開発者自身による次期バージョンのプレゼンを予定するなど、再活性化への活動を行っていく」(藤井氏)とコミットした。
■ URL
エンバカデロ・テクノロジーズ合同会社
http://www.codegear.com/jp/
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( 川島 弘之 )
2008/09/08 16:57
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