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VMworld 2008会場レポート-NECのVDI対応製品やSymantecのVMsafe対応製品など


 VMworld 2008の展示ブースでは、仮想化関連ソリューションが多数展示されている。ここでは、日本電気株式会社(NEC)と米Symantecの展示内容を紹介する。


6コアサーバーやVDI対応シンクライアントを展示-NEC

 VMworldへの出展が3回目となるNECは、9月16日に発表したばかりのXeon 7400番台搭載サーバー「Express5800/スケーラブルHAサーバ」を展示。同サーバーのうち、「Express5800/A1160」は、最大16プロセッサ・96コアまで拡張可能なサーバー。同社マーケティング本部マネージャーの平智徳氏は、「仮想環境でのサーバー統合はもちろん、デスクトップの仮想化にも対応する製品」と紹介。VMware ESX Serverをサポートするほか、マイクロソフトのHyper-VやシトリックスのXenServerもサポートしている。

 また、9月10日に発表された仮想環境にも対応するバックアップストレージ製品「iStorage HSシリーズ」も展示。iStorage HSシリーズは、プロセッサの強化により、従来製品と比べて処理速度を最大3倍まで向上。あわせて、1TBドライブの採用と、ストレージノードあたりのHDD搭載台数を2倍にすることで、省スペース化も実現している。そのほか、20倍以上の高圧縮率など、ディスクベースのバックアップストレージとしての性能を大幅に強化している。現状は企業システムのバックアップ用途での利用が中心だが、これらの特長を生かして、仮想サーバーのバックアップ用途でも積極的に展開するとしている。

 そのほか、VMwareのVDI(Virtual Desktop Infrastructure)に対応した仮想PC型シンクライアントシステム「VirtualPCCenter」も展示。ブースでは、参考出品として、FeliCaを利用したシンクライアント認証機能や、マルチディスプレイ対応端末などが展示されていた。「サーバー仮想化の次のステップとしてクライアント仮想化への関心は高い。特にVDIを利用したシンクライアントソリューションに多くの方が注目している。今回、VMwareが発表したvClientなどを生かして、さらに注力したい」(平氏)と述べた。


参考出品のFeliCa認証システム 同じく参考出品のマルチディスプレイ対応端末

VMsafeをサポートしたセキュリティ製品のプロトタイプを公開-Symantec

VMsafe対応製品の動作イメージ。Windows上で検知できていないマルウェアを検知することも可能
 Symantecは、仮想化対応バックアップ製品のほか、今回発表されたVMsafe対応製品のプロトタイプを展示。VMsafeは、セキュリティベンダーに対してハイパーバイザへアクセス可能なAPIを公開するもので、これを利用することでハイパーバイザレベルでのセキュリティ管理が可能になる。

 今回Symantecのブースで紹介されていたのは、このVMsafeを利用したプロトタイプ。このプロトタイプは、仮想マシン上でLinuxベースのアプリケーションとして動作。仮想セキュリティアプライアンスとして動作することで、物理マシン上のすべての仮想マシンを監視することができる。

 米SymantecのDistinguished EngineerであるBruce McCorkendale氏は、「VMsafeを利用することで、仮想マシン上のゲストOSが起動する前にウイルスに感染しているかどうかをチェックすることが可能になった。仮想マシンとゲストOSを分離することで、ゲストOSへの被害を最小限にできる」と紹介。「ゲストOS上にウイルス対策ソフトを搭載することで、連動してウイルスを駆除することができる」と述べた。

 今回展示されているプロトタイプは検知までしか対応していないが、「製品版では駆除にも対応する予定」としている。提供時期は未定。



URL
  VMworld 2008
  http://www.vmworld.com/
  日本電気株式会社
  http://www.nec.co.jp/
  米Symantec
  http://www.symantec.com/


( 福浦 一広 )
2008/09/17 11:40

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