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PCサーバー「PRIMERGY」の1機種、PRIMERGY RX600 S4
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富士通 システムプロダクトビジネスグループ長、山本正己経営執行役常務
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富士通ITプロダクツの小型サーバー生産ライン(2008年3月の見学会より)
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富士通株式会社は、サーバーに使用されている部品の共通化を進め、2010年をめどに共通化率を50%にまで引き上げる方針を明らかにした。これにより、グローバル戦略におけるコスト競争力を高める考えだ。
富士通では、PCサーバー「PRIMERGY」、UNIXサーバー「SPARC Enterprise」、基幹IAサーバー「PRIMEQUEST」、メインフレーム「GSシリーズ」の4種類のサーバーラインを持ち、さらに、ブレードサーバーとして、「TRIOLE BladeServer」がある。
すでに、これらのサーバー製品において、筐体の一部や電源部分などで共通化への取り組みが始まっており、約10%の部品が共通化しているという。
また、UNIXサーバーのSPARC Enterpriseは、サン・マイクロシステムズが開発していたSun Fireと、富士通のPRIMEPOWERを一本化。これにより、量産効果を発揮しやすい環境へと移行しているほか、GSシリーズやPCサーバー、UNIXサーバーを同一筐体内に搭載可能なマルチサーバー「PPRIMEFORCE」も投入するなどの取り組みも開始している。
富士通 システムプロダクトビジネスグループ長、山本正己経営執行役常務は、「CPU以外の部分で、あらゆる面から共通化を模索していく。例えば、PRIMEQUESTとSPARC Enterpriseの部品の共通化率を半分まで引き上げることで、コストダウン効果が期待できる。グローバルで戦うという点からも、共通化は避けては通れない取り組み」とする。
富士通のサーバー製品は、開発を神奈川県川崎市の川崎工場で、生産を石川県かほく市の富士通ITプロダクツおよび福島県伊達町の富士通アイソテックで行っており、開発、生産拠点が国内にあることも共通化の進展にはプラス要素となる。
富士通にとって、グローバル化は、今後の事業拡大に向けた重要なキーワード。特に、欧州、北米市場での事業拡大が鍵となっている。
だが、価格競争力の激しい海外市場において、4つのサーバーラインを持つ富士通は、開発、生産、調達に関するリソースが製品ごとに分散。量産効果が発揮しにくく、コスト競争力に劣るとの指摘が出ていた。
「富士通は、顧客の資産を守るという姿勢には変わりがない。つまり、4つのサーバー製品を継続的に提供しつづける。その上で、いかに競争力を発揮するか。そのひとつが部品の共通化になる」(山本経営執行役常務)というわけだ。
一方、OSに依存しないミドルウェアの開発や、SOAの積極的な提案も、プラットフォームを越えた提案のひとつといえ、グローバル戦略を推進する上での重要な要素となる。
■ URL
富士通株式会社
http://jp.fujitsu.com/
( 大河原 克行 )
2008/09/19 00:00
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