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代表取締役社長のライオネル・リム氏
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サンの注力分野
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執行役員 マーケティング本部 統括本部長の九里禎久氏
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サン・マイクロシステムズ株式会社(以下、サン)は9月18日、戦略説明会を開催。代表取締役社長のライオネル・リム氏、執行役員 マーケティング本部 統括本部長の九里禎久氏らから、同社の方針などを説明した。
リム社長によれば、同社の柱となるビジネスは、1)ビジネスの基盤インフラ、2)HPC(ハイパフォーマンスコンピューティング)、3)Global Web Buildout、の3つだという。このうち1)は、同社が以前から手掛けていた領域で、ERPやコアバンキング、課金、メールをはじめとする業務系システムが該当する。これに対しては今後も継続して注力するとのことだが、急速な成長が見込める領域ではないため、2)と3)によるビジネスの拡大を目指しているという。
2)のHPC分野には、大規模な学術開発用途のものももちろんあるが、サンとしてはエンタープライズでのHPC利用が拡大していることに注目。銀行や製造業などでシミュレーションに利用されているHPCも、広く対象としてビジネスを展開するとした。最後の3)は、いわゆる「Web 2.0」分野で、専任のチームを設立。ネットワークを活用している企業などを対象に、新規顧客の拡大を目指す。
また別の側面では、オープンソースソフトウェア(OSS)をいかにビジネスへつなげていくか、という点についての説明も行われた。サンでは、オープンソースでの提供と、商用ライセンスの提供という二本柱でソフトウェアビジネスに取りくんでいるが、オープンソースに引き続き力を入れることにより、学生を含めた開発者のすそ野を拡大するという。
九里氏は「オープンソースで当社のファンやユーザー数、見込み顧客を増やす」と、この路線の意味を説明する。さらに、開発をコミュニティと協力して行うことにより、開発コストの削減や新機能の市場投入を早められるメリットがあることも大きいとしたほか、前述したように、コミュニティの参加者自体も潜在的な顧客として考えているとした。
一方では、パートナーへの投資も行う計画とのこと。九里氏は「エキスパートのエンジニアを置いてもらい、それによって何らかの形でディスカウントを行う」と支援の例を挙げたほか、貸し出しや評価に用いるハードウェア購入を支援するため、数億円規模の投入を予定しているとする。さらに、需要喚起を目的とした販促活動向けの資金支援も、その数倍の規模で行うとしており、「当社にとって、少ない金額ではない。多分に、パートナーに投資をしようと考えている」と述べた。
■ URL
サン・マイクロシステムズ株式会社
http://jp.sun.com/
( 石井 一志 )
2008/09/19 10:53
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