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イージェネラ、SAPジャパンと協業-日本にSAPコンピテンスセンター設立


米Egenera 社長兼CEOのマイク・トンプソン氏

SAPジャパン 代表取締役社長兼CEOのギャレット・イルグ氏

PAN Managerの概要
 イージェネラ株式会社は9月24日、SAPジャパン株式会社と日本市場において協業すると発表した。協業の一環として、東京・新宿のイージェネラ社内に11月1日付けで「SAPコンピテンスセンター」を開設し、SAPジャパンのアダプティブ・コンピューティングに最適なEgeneraソリューションの普及拡大に注力していく考え。

 米Egenera 社長兼CEOのマイク・トンプソン氏は、「当社とSAPは、2005年からグローバル・テクノロジー・パートナーとして協業を行っており、現在までに11カ国、28社の顧客に導入実績を持っている。SAPコンピテンスセンターは、その協業の拠点としてSAP独本社とEgenera米本社の2カ所に開設しているが、今回、日本に3番目のセンターを開設し、専任のサポート要員を設置する。これにより、日本市場でのパートナー関係をさらに緊密にするとともに、SIパートナーに対して充実したサポートを提供することが可能となる」と述べた。

 また、SAPジャパン 代表取締役社長兼CEOのギャレット・イルグ氏は、「今回のパートナーシップは、日本市場における両社の顧客に対して大きな価値をもたらすだけでなく、お互いの競争優位性を高めることができるだろう。両社の協業で実現する統合ソリューションによって、顧客のビジネスを強力に支援していく」とコメントしている。

 両社による協業の中核となるのがイージェネラの統合ソリューション「Egenera BladeFrame」システム。メインフレームや大型のUNIXサーバーが得意とする高い信頼性と可用性を実現し、SAPアプリケーションに対して業界標準のオープンなアーキテクチャに基づいた、価格性能比の優れたプラットフォームを提供する。また、「PAN Manager」ソフトウェアが提供するデータセンターのインフラ仮想化により、システム運用が簡素化され、運用・保守コストの大幅な削減を図ることができる。

 具体的には、データセンターのインフラ仮想化によって、SAPアプリケーションに対し、ピーク時にサーバーを動的に再配置。そして、N+1のハードウェアレベルでの自動フェールオーバー機能により高可用性を実現しながら、待機系サーバー数を減らすことができる。また、シンプルな障害復旧(DR)機能によって、DRサイトの構築を容易に実現する。

 イージェネラのステートレス・アーキテクチャとPAN(プロセス・エリア・ネットワーク)により、用途を限定しないで、サーバーの動的配置や再利用ができるため、SAP推奨の3ランドスケープでシステムを構築し、必要なときに短時間で開発用サーバー、検証用サーバー、本番サーバーを容易に提供できる。また、待機系のサーバーは、最小限にできるだけでなく、通常使われていないバックアップ用のサーバーも、開発用やSAPユーザー向けの教育用のサーバーとしても利用できる。

 イージェネラ社長の大木稔氏は、「今回の協業で日本に開設されるSAPコンピテンスセンターは、日本のビジネスを拡大する上で重要なポジションを占めるものとなる。特に、SAPとのパートナー関係を強化することで、今まで中心だった金融業に加え、製造業や流通業の顧客も積極的に開拓していきたい。日本におけるSAPとの協業展開により、今後1年で最低でも5社への導入を目指す」と意欲を見せている。



URL
  イージェネラ株式会社
  http://japan.egenera.com/
  SAPジャパン株式会社
  http://www.sap.com/japan/


( 唐沢 正和 )
2008/09/24 18:18

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