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SAPジャパン、ビジネスオブジェクツ合併後のBI製品ロードマップを公開


SAPジャパン カスタマーイノベーションセンター マネージャーの加藤慶一氏

BIの変遷

製品ロードマップと今後のフォーカス製品
 SAPジャパン株式会社(以下、SAPジャパン)は9月25日、今後のビジネス・インテリジェンス(BI)製品ロードマップに関するプレスセミナーを開催した。

 独SAPは2007年、BIの大手ベンダーである仏Business Objectsを買収したことから、今後のBI製品の動向に注目が集まっている。これについて、SAPジャパン カスタマーイノベーションセンター マネージャーの加藤慶一氏は、「Business Objects製品との統合によって、ビジネスプロセスプラットフォーム、エンタープライズアプリケーション、データウェアハウス、BI、EPMまでを統合され完結したソリューションを、オープンでプラットフォームに依存せずに提供できる」と語る。

 また加藤氏は、「近年、BIはCIOにとってテクノロジープライオリティのトップにある」とも話し、そのためSAPでは、BIベンダーとして“ダントツ”の売り上げを誇っていたBusiness Objectsを買収したのだと説明。日本においてもこの傾向は見られ、データ分析、活用への高い投資意欲が見られるとする。

 今後のSAPでは、標準フロントBIツールとして、ダッシュボード/可視化分野では「Xcelsius」、エンタープライズレポーティングでは「Crystal Reports」、自由分析では「Web Intelligence」といった、Business Objects製品をベースに強化していくという。また、高度な情報分析のアプリケーションは、SAPの「BEx Analyzer」とBusiness Objectsの「Voyager」を統合し、新しい分析ツールとして「Pioneer(OLAP Analysis)」を2009年の後半から2010年ごろにリリースする予定である。さらに加藤氏は「Business Objectsには、すでにSAPと統合するためのツールが存在してるため、将来的な製品統合を待つことなく、明日からでもBusiness Objectsの高度な機能を利用することができる」と述べた。

 もちろん、現在「Web App Designer」や「Report Designer」といったSAP NetWeaver(NW) BIツールを利用している場合でも、最長で2016年までサポートしていくため、フロントBIツールは時間をかけてゆっくりと移行していくことができるようになっている。また、今回のBI製品群は統合されるが、「SAP BW」および、「NW BIA(BI Accelerator)」は今後も機能強化されていくとした。

 また、Business Objectsとの統合によるメリットについて加藤氏は、「実はSAPとBusiness Objectsのユーザーには、重なりが少ない。今後は、お互いのユーザーを取り込むことで、ビジネスの伸びしろも期待できる」と語っている。



URL
  SAPジャパン株式会社
  http://www.sap.com/japan/

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( 北原 静香 )
2008/09/25 16:33

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