Enterprise Watch
最新ニュース

「ITマネジメント分野のTrusted Adviserへ」-日本CA、中期経営戦略

今後は日本に適した6分野に集中

代表取締役社長の根塚眞太郎氏

これまでの活動
 日本CA株式会社は9月30日、中期経営戦略に関する記者説明会を開催。代表取締役社長の根塚眞太郎氏が登壇し、これまでの活動と今後の活動方針を語った。

 根塚氏が同社社長に就任したのは2006年4月のこと。以来、1)製品・ソリューションの選択と集中、2)顧客リレーションの強化、3)社内コミュニティの強化の3点に注力してきたと説明した。

 1)では、「戦略コミッティとして、5年後の日本CAがどうありたいかをビジョンとして策定。そのためにどう走っていくかを、販売系、製品・品質系の委員会を設置するなどして議論を行い、買収などにより膨らみすぎた製品・ソリューションポートフォリオの取捨選択を行ってきた」(根塚氏)とコメントした。

 2)では、顧客企業との関係強化のため「Customer Advisory Board」を設置。「顧客からの意見を広く聞き入れる活動をこれまでに3回実施し、そのうち2回は米CAのCEOも参加した」などとして、日本CA・米CA共同で顧客の要望に応えてきた姿勢を強調した。

 3)では、「マネジメント・ダイアログ」と題して、全社員との面談を行っているほか、所感を社内へ配信する「根塚通信」、働きやすい環境を目指した「インフラ系委員会」など、社内コミュニケーションを強化するために行ってきた数々の施策を紹介。

 こうした施策を基に、今後の中期経営戦略を発表。5年後のビジョンとして「国内の顧客企業およびパートナー企業のビジネスの成功に貢献し、日本市場でもっとも信頼されるITマネジメントのリーディング・カンパニーを目指す」という。

 また昨今の背景を「企業ではIT部門の役割が大きくなっている。経営層とユーザー層の間に立って、両社の相反するニーズをバランスよく実現し、ITがビジネスに貢献できるように手を打っていかなければならない。一方で、多くの製品が入り乱れることでITは複雑さを増しており、投資額は変わらないのに、運用コストが増加しているという非常に厳しい状況にある。こうした状況を反映して今後はITマネジメントのあり方も変わらなければならない」とまとめた上で、EITM(Enterprise IT Management)というコンセプトに基づいて、ITマネジメント分野の“Trusted Adviser(信頼できるアドバイザー)”を目指す意向を見せた。


 具体的には、「さまざまなパートナーとの関係を強化しながら、既存・新規顧客へのアプローチを強めるとともに、日米の違いに着目して、日本に適したソリューションを提供していく」(同氏)。

 また、就任以来進めてきた製品・ソリューションの取捨選択をさらに進め、今後は「アイデンティティ&アクセス管理(IAM)」「サービス管理(SM)」「プロジェクト・ポートフォリオ管理(PPM)」「メインフレーム」「アプリケーション・パフォーマンス管理(APM)」「ストレージ管理」の6分野に集中してサービス提供を行っていくという。「この6分野に決めた理由は、国内マーケットのニーズ、日本CAの強みを前提に、徹底的に議論した結果」とのこと。

 併せて営業組織の強化を実施し、直接販売・間接販売に明示的に分けるほか、6分野それぞれに特化した営業担当も定め、営業とプリセールスの融合を進めていく方針。

 社内コミュニティの取り組みも継続し、人材育成やクロスファンクショナルチームの確立を目指していくとした。


既存・新規顧客へのアプローチを強化。日本に適したソリューションを提供していく 抱えすぎた製品を整理。6分野に注力していく

営業組織を強化。直接・間接販売ユニットに分けるほか、6分野に特化した営業担当も 働きやすい会社の実現のため、社内コミュニティの取り組みを継続


URL
  日本CA株式会社
  http://www.ca.com/jp/


( 川島 弘之 )
2008/09/30 14:25

Enterprise Watch ホームページ
Copyright (c) 2008 Impress Watch Corporation, an Impress Group company. All rights reserved.