システム基盤の発注者要求を見える化する非機能要求グレード検討会(以下、非機能要求グレード検討会)は9月29日、第1弾の成果物として「システム基盤の要求項目一覧(以下、非機能要求項目一覧)」を発表した。検討会の成果発表の場として開設された公式Webサイトにて公開している。
非機能要求グレード検討会は、システムの応答速度などの性能や障害時の耐性といった、目には見えない「非機能要求」について、発注者と受注者との間で確認する方法を検討する団体。NTTデータ、富士通、NEC、日立、三菱電機インフォメーションシステムズ、OKIの6社により、2008年4月14日に発足された。
今回、第1弾の成果として、非機能要求項目一覧を発表。非機能要求で特に重要な6つの項目として、「可用性(システムの耐性)」「性能・拡張性(システムの応答速度や増設のしやすさ)」「運用・保守性(システムの維持のしやすさ)」「移行性(システムの更改のしやすさ)」「セキュリティ(データの安全の度合い)」「環境・エコロジー(環境への配慮)」を分類し、体系化・詳細化を行った。
例えば可用性としては、システム化の前提として「運用スケジュール」や、その上でシステムが停止しないようにするための「耐障害性」や、システムが停止したときの復旧作業に関する「回復性」を検討する必要がある。ここでは具体的な要求項目として、ネットワーク機器の冗長化や、復旧作業量の検討など必要な項目を整理。非機能要求の抜け漏れを極力なくすためのチェックとして、有効に活用できるようになっているという。
なお同検討会は、2008年10月より経済産業省が進める「情報システムのディペンダビリティ(信頼性)の向上の施策」に協力。非機能要求項目一覧に関する情報を提供し、広く検討会の外から意見を採り入れるなど、成果物の評価と有効性検証を行っていく。
■ URL
非機能要求グレード検討会
http://www.nttdata.co.jp/nfr-grade/
ニュースリリース
http://www.nttdata.co.jp/release/2008/092900.html
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( 川島 弘之 )
2008/09/30 18:17
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