Enterprise Watch
最新ニュース

「OracleのDWHアプライアンスは競争相手としては力不足」-米Teradata CEO

~PARTNERS 2008基調講演

米Teradata President&CEOのMichael F.Koehler氏
 米国ラスベガスでThe 2008 Annual Teradata PARTNERS User Group Conference&Expo(PARTNERS 2008)が開催されている。23回目となる今回のテーマは「Beyond Intelligence」。米Teradataのユーザーが、50カ国より3000名も訪れ、連日、次世代のBI(Business Intelligence)に関するセッションが行われている。

 10月13日(米国時間)には、米Teradata President&CEOのMichael F.Koehler氏が登壇し、Teradataの今後の方針について基調講演を行った。

 Teradataは、2007年にNCRから分社した企業。独立したことで「どこへ投資するかなど今後の方向性を自分たちで決められるようになった」と語るKoehler氏は、今後の注力点や強みについて説明した。

 1点目が、「EDW(Enterprise Data Warehouse)やADW(Active Data Warehouse)への継続投資」(同氏)である。EDWは、全社での情報活用を目的にデータを統合化・一元化させた次世代DWHともいえるコンセプト。単にデータを収集するだけでなく、ビジネスのさまざまな場面で発生する明細データを収集・統合するというもので、経営者層から現場担当者まで必要な人すべてに共通の情報を提供することにより、ビジネス価値の最大化が可能になる。

 ADWは、さらにリアルタイム性を追加したコンセプトで、鮮度の高いデータによって、「戦略的」な意思決定だけでなく「戦術的」な意思決定まで実現するもの。これにより企業はこれまで見えなかった情報まで事前に捕捉して能動的なアクションを起こすことが可能になる。

 Koehler氏は、「この2点はビジネスの核として重要。EDWやADWを実現するユーザーにとっては、ここに会社の生存が懸かっているといっても過言ではない。当社としては今後もここへ注力し、ベストポジションをキープするつもりだ」とした。

 2点目が「コンサルティングの強化」(同氏)。EDWは単なるコンセプトではなく、それを実現するための具体的なソリューションとして、業種ごとにデータの相関図を定義し、データマートの統合時などに参照することで体系的なDWH構築が可能になる「論理データモデル」や、多様な「アプリケーションプログラム」を用意している。これらを含むコンサルティング力がTeradataの1つの強みになっているのだが、Koehler氏は「当社のユーザーになることでどのようなビジネス価値が生み出されるのかを明確にするため、ROI測定なども含め、コンサルに力を入れていく」と語った。


Teradataプラットフォームファミリー
 3点目が「豊富なラインアップ」(同氏)である。Teradataはここ最近、ラインアップの拡充に余念がない。8月には、単体で140TBのストレージ容量を備える「Data Warehouse Appliance 2550」を追加。また今回のPARTNERS 2008でも、「Extreme Data Appliance 1550」を発表し、ストレージ容量や用途に応じた全5シリーズをラインアップしている。これらは明確なインテリジェンスのビジョンに基づき、EDWやADWを効率よく構築することができ、それがTeradataの強みであるという。

 同氏は「インテリジェンスとはどういうことか、そのビジョンが明確でないとEDWとしては意味がない。果たして他社製品は、本当のEDWであろうか。反論する競合もいるだろうが、Teradataのように本当のEDWを実現している他社製品は存在しない」と発言。

 さらに「Teradata製品をレベルアップさせる意味でも競争はよいことだが」と前置きした上で、「例えば、Oracleと比べてもTeradataのビジョンは明確であるし、Teradata製品の方が値段は半分でパフォーマンスは倍だ」として、先ごろ発表されたOracleのDWHアプライアンス「HP Oracle Database Machine」に対する余裕や市場における自信をのぞかせた。



URL
  米Teradata
  http://www.teradata.com/

関連記事
  ・ 米Oracle、10倍の速度向上を実現するDWHアプライアンス(2008/09/26)
  ・ 「100TB超のユーザーも登場、DWHにチャンスは多い」-Teradata2008年度の戦略(2008/03/07)
  ・ 米Teradata、ストレージ容量50PBの特定用途向けDWHアプライアンスなど(2008/10/14)


( 川島 弘之 )
2008/10/14 16:38

Enterprise Watch ホームページ
Copyright (c) 2008 Impress Watch Corporation, an Impress Group company. All rights reserved.