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マイクロソフトが仮想化戦略を発表-Hyper-Vを起爆剤に日本での普及を促進する


仮想化戦略の3つの柱

執行役 常務 ビジネス&マーケティング担当の佐分利ユージン氏
 マイクロソフト株式会社は10月14日、同社のサーバー仮想化製品「Windows Server Hyoer-V」および仮想化環境管理ソリューション「Microsoft System Center Virtual Machine Manager 2008(以下、SCVMM 2008)」を中核とした仮想化戦略を発表。デスクトップからサーバーまで全方位で展開する仮想化戦略「Microsoft 360 Virtualization」、仮想化普及の支援策、パートナー各社との仮想化戦略の推進の3つを柱に展開するとした。

 企業の仮想化環境の利用状況について、同社執行役 常務 ビジネス&マーケティング担当の佐分利ユージン氏は、「全世界での導入率の平均が約10%。これに対して日本での仮想化導入率は、3%程度をまだまだ低い状況にある。こうした状況を改善するには、抜本的な支援策が必要だ」と、注目を集めながらも実際の導入率が低い点をあらためて指摘する。

 今回、同社が発表した仮想化戦略は、こうした現状を改善するために発表したもの。Microsoft 360 Virtualizationは、Hyper-Vのほか、アプリケーションの仮想化、デスクトップの仮想化、プレゼンテーションレイヤーの仮想化といったサーバーからデスクトップまで幅広い仮想化技術を用意している同社の強みをあらためて訴えるもの。また、それらを統合的に管理するSCVMM 2008により、物理サーバーや、VMwareやXenといった他社のサーバー仮想化製品を統合的に管理できる点をメリットとして強調した。


業務執行役員 サーバープラットフォームビジネス本部 本部長の五十嵐光喜氏
 仮想化普及への支援策としては、認知・準備・採用・展開といった仮想化普及の各サイクルにあわせた施策を発表。同社 業務執行役員 サーバープラットフォームビジネス本部 本部長の五十嵐光喜氏は、「認知度向上を図るために、支店を活用したイベントやセミナーを開催し、仮想化に接する機会を増やしていく。また無償・有償の各種トレーニングを実施することで、技術者育成を支援する。技術者育成では仮想化関連の認定プログラムを実施する。そのほか、導入に関するアドバイザーを増やすことも重要で、これに関する認定プログラムも実施する。導入アドバイザーについては、年内に1000名、今後1年で8000名まで増やしたい」と述べた。

 そのほか、パートナー各社と協力して仮想化ソリューションの普及も図る。「Windows Server 2008で動作するアプリケーションであれば、Hyper-Vでも動作する。4月のWindows Server 2008のラウンチ以降、対応ハードウェアは189以上、アプリケーションも579以上と順調に対応が進んでいる。また、ほとんどのサーバーにおいて64ビット対応が行われており、Windows Server 2008を導入すれば、Hyper-Vを使った仮想化環境はすぐに構築できる」(五十嵐氏)と紹介。こうした状況を生かし、パートナー各社からHyper-Vを用いた各種ソリューションを提供できるよう支援するとした。

 説明会には、ハードウェアベンダー各社代表も出席し、Hyper-Vを用いた仮想化ソリューションへの期待を表明した。


 「Hyper-VはWindows Server 2008に組み込まれており、すぐに利用できるのが特長。この特長を生かすことで、仮想化環境普及の起爆剤になる製品と考えている。Hyper-Vにより、今後1年間で日本での仮想化環境導入率を25%にまで高めていきたい」(佐分利氏)と強気の姿勢を示した。



URL
  マイクロソフト株式会社
  http://www.microsoft.com/japan/
  プレスリリース
  http://www.microsoft.com/japan/presspass/detail.aspx?newsid=3553


( 福浦 一広 )
2008/10/14 13:05

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