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BlackDiamond 20808
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米Extreme NetworksのCMO、ポール・フーパー氏
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エクストリームネットワークス株式会社(以下、エクストリーム)は10月14日、9月に米国で発表されたシャーシ型スイッチ「BlackDiamond 20808」に関する説明会を開催した。
米Extreme NetworksのCMO(最高マーケティング責任者)、ポール・フーパー氏は、現在のキャリアやISPが置かれる環境について、「豊富なサービスを加入者に提供すべくネットワークを構築しているものの、各サービスは独立したネットワークを介して提供されている」と指摘。これを統合された、かつ高品質、広帯域を持つ次世代のネットワークへ移行させることによって、「運用コストそのものも下がるし、ネットワークごとに限定されたサービスではなく、あらゆるサービスをあらゆる顧客へ提供できるようになる」と述べる。
この移行を支援する製品が、ISP向けに提供されるメトロイーサネットスイッチのフラグシップモデル、BlackDiamond 20808だという。同製品は、4.5Uサイズの筐体に、8つのI/Oスロットと2つのマネジメントスロットを装備。スロットあたり120Gbpsのスイッチング容量を備えており、シャーシあたり64基の10Gigabit Ethernetポートを搭載可能になっている。
また、単に高速・高密度なだけでなく、「キャリアが将来どんなサービスを提供するのかを思い描き、それを具現化するのに必要な機能を備えた」(フーパー氏)ことも特徴。例えば、トリプルプレイのサービスを提供するには、ハードウェアベースのQoSやマルチキャストが必要と考え、高いQoS能力やマルチキャストストリーム能力をサポートしたとのこと。フーパー氏はこうした、「キャリアに特化したEthernetトランスポートスイッチとして設計され、彼らが求める密度やサービスの拡張性をサポートしている」点を再三強調した。
ただし、いくら機能や性能が充実していても、高価な製品では導入を進めるのは難しい。フーパー氏はこれについても、BlackDiamond 20808は、従来製品と比べて1/3~1/5の価格での導入が可能としたほか、運用コストについても削減できると強調する。なお、運用コスト削減の具体例としてフーパー氏は、複雑でトレーニングコストもかかるMPLSベースの手法ではなくEthernetベースの技術であるPBB/PBTを採用していること、同社の新世代製品ではエッジからコアまで一貫してモジュラー型OS「XOS」を採用していることなどを挙げている。
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エクストリームの久保田則夫社長
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一方、国内全般での戦略はエクストリームの久保田則夫社長が説明した。それによると、BlackDiamond 20808などによって、キャリアやISPへ働きかけるほか、エンタープライズ市場でも、文教・学術やデータセンター、病院を含めたヘルスケアといった業種にフォーカスし、製品を拡販する計画という。エクストリームでは、XOSを搭載し機能を大幅に強化した新世代製品を2008年度に数多くリリースし、製品ラインアップを大きく拡充している。久保田氏は、新製品を中心としたポートフォリオによって、顧客に無駄な投資をさせない「パーフェクトバランス」戦略を訴え、拡販を進めるとした。
また、特に24×7の技術サポートを提供するTACチームの充実や、日本市場に合わせた製品開発を継続するなどの取り組みを実施する。さらに、マーケティング投資を引き続き行うことによるブランド認知度の向上、新パートナープログラムによるニーズの掘り起こしなども進める考えで、「日本市場への投資は引き続き行っていく」ことを強調している。
■ URL
エクストリームネットワークス株式会社
http://www.extremenetworks.co.jp/
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( 石井 一志 )
2008/10/14 17:23
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