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シーメンスPLM、統合ソリューション「NX」の開発戦略を発表


Siemens PLM Software アジア太平洋地域 マーケティング部門 マーケティング・ディレクターのディーター・クリンケ氏

デジタル製品開発の4段階のプラクティス
 シーメンス プロダクトライフサイクルマネジメント ソフトウェアJP株式会社(以下、シーメンスPLM)は10月22日、CAD/CAM/CAE統合ソリューション「NX」の開発戦略、および日本法人の2009年度事業戦略について発表した。

 NXは、CAD、CAM、CAEおよびPDMアプリケーションを統合したソリューションで、製品開発プロセス全体を変革し、デジタル製品開発の統合環境を実現する。Siemens PLM Software アジア太平洋地域 マーケティング部門 マーケティング・ディレクターのディーター・クリンケ氏は、NXのメリットについて、「NXは、すべての製品開発をデジタルで行う環境を提供するとともに、より効率的かつ短期間での開発を実現し、生産性向上を図ることができる。また、こうしたデジタル開発環境を、専門知識を必要とせずに活用できることも大きな特徴だ」としている。

 今後の開発戦略としては、「当社では、デジタル製品開発のプラクティスとしてCurrent、Best、Next、Futureの4段階で進化していくと考えており、ユーザーのトップ50社に対して、デジタル製品開発の投資状況や将来の取り組みについて調査したところ、多くの企業が2段階目のBestにあることがわかった。その中で、当社としては、Bestプラクティスをさらに広くマーケットに浸透させるとともに、次のNextプラクティスへと進めていく取り組みが重要な課題となる」(クリンケ氏)と述べた。

 具体的には、今後2~3年で投資が見込まれる重点分野として、1)Design Freedom、2)PLM Integration、3)Workflow Productivity、4)Knowledge Reuse、5)Performance,Simulation&Validation、の5つをあげ、各分野において、1)Design、2)Drafting&Documentation、3)Simulation、4)Tooling、5)Machiningを対象に投資を進めていく方針を示した。


シーメンスPLM 代表取締役社長の三澤一文氏

最良なアプリケーション&サービスとエコシステムの提供を目指す
 次に、シーメンスPLM 代表取締役社長の三澤一文氏が、日本法人の事業戦略について説明し、「2009年度は新たな取り組みとして、ソリューションセールスの強化、専門技術サービス提供の拡充、エコシステムの拡大、パートナー教育の充実に力を注いでいく」との考えを明らかにした。

 まず、ソリューションセールスの強化としては、日本市場でもBestプラクティス、さらにはNextプラクティスを積極的に展開するために、ソリューション提案を推進していく営業体制を新たに整備した。次に、専門技術サービス提供の拡充では、PLMに関する高度な技術サービスを「エキスパートサービス」として有償で提供する。エコシステムの拡大については、従来の販売代理店に加え、ソリューションセールスおよび専門技術サービスを共同で展開することができるシステムインテグレータやコンサルティング会社とのビジネスアライアンスも進めていく。さらに、プラットフォームを提供するハードウェアベンダーとも緊密な連携を取っていく考え。

 パートナー教育の充実に関しては、10月22日付で、これまで社内のエンジニアに対して行っていた同社製品の技術認定プログラム「Global Certification Program」を、日本の販売代理店やユーザーにまで適用を拡大することを発表した。同プログラムは、4つの主要製品ライン「NX」、「Teamcenter」、「Teamcenter Express」、「Solid Edge」について用意され、各製品の技術認定テストを実施し、合格者には製品の使用方法と実装において認定を行う。これによって、同社製品技術者の育成を強化し、利用者の技術水準と企業の投資対効果の向上を目指す。



URL
  シーメンス プロダクトライフサイクルマネジメント ソフトウェアJP株式会社
  http://www.ugs.jp/


( 唐沢 正和 )
2008/10/22 19:13

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