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インダストリー/ソリューション戦略本部 物流・鉄道・旅行業担当部長の竹中康高氏
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同社の物流業界向けソリューション
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SAPジャパン株式会社は10月23日、同社の物流業界向けソリューションに関する記者向けの説明会を開催。同社インダストリー/ソリューション戦略本部 物流・鉄道・旅行業担当部長の竹中康高氏より、国内での取り組み状況を含めて説明が行われた。
同社の物流業界向けソリューションは、郵便業務、鉄道輸送、航空会社、海運業、トラック運送業、3PL(Third Party Logistics)、サプライチェーンアウトソーシング業、運送会社を含む物流企業を対象としたもの。物流業界の動向について、竹中氏は、「他業種と同様、物流業界も国際化が進んでいる。物流業界でも、成長地域、成長分野をいち早くキャッチすることが重要」と紹介。この物流業界に対し、同社はグローバル展開している企業をターゲットに取り組んでいるという。「グローバルカンパニーの多くは、すでにSAPを導入しており、既存のERPとの統合性を生かした上で、新たなビジネス創出につながるソリューションを提供している」と、同社の取り組みを説明した。
この物流業界に特化した製品として、「SAP Transportation Management(以下、SAP TM)」を用意。SAP TMは、複合一貫輸送における企業間の協業プロセスを管理するアプリケーションプラットフォーム。輸送コスト・品質・納期の把握のほか、輸送進ちょくの可視化が行えるのが特長。EDIFACTなど各種標準のインターフェイスを提供しているので、荷主企業と物流企業、物流企業間での柔軟なやりとりに対応している。また、物流業務を基幹システムの一部として連携させることも可能。「SAP TMは既存資産を生かしながら、輸送情報を一気通貫で管理できるのが特長。足りない部分はアドオンで対応することもできる」(竹中氏)と、説明した。
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SAP TMの利用例。BusinessObjectsと組み合わせることで、実績管理などを視覚化することも可能
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顧客別・航路別の利益額試算表。単価の変化に応じて利益の変化を確認するといった使い方も可能
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物流業界に対する具体的なアプローチに関しては、SAP ERPなど基盤システムの標準化をスタートに、品質・コスト管理の標準化、協業手順・プロセスの標準化、独自アドオン(ノウハウ)の再利用化のステップで展開すると説明。「特定業務から展開するという方法もあるが、まず基盤となるERPを定着させることに重視している」(竹中氏)と、ERPを基盤にシステム構築することによる全社最適化が物流業界固有のニーズにもよい効果が得られると述べた。
■ URL
SAPジャパン株式会社
http://www.sap.com/jp/
( 福浦 一広 )
2008/10/23 15:10
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