 |
 |
|
|
| 最新ニュース |
|
|
|
|
|
|
||||||||||||
|
||||||||||||
|
||||||||||||
|
米IBMヘネシーCIO、「ビジネス変革に対してCIOの役割は非常に重要」 |
||||||||||||
|
||||||||||||
|
|
||||||||||||
|
||||||||||||
|
||||||||||||
|
||||||||||||
|
||||||||||||
まずCIOの役割についてヘネシー氏は、「CIOの役割はビジネスの移行の原動力となるほど、重要になっている。CEOへの調査を継続して実施しているが、多くのCEOがビジネスとITのアライアンスが必要としながらも、現実には半数程度の企業が実現しているのみという調査結果が出ている。昨年の調査では、数年のうちに大きなビジネス変革が起こると予測するCEOが多く、CIOにとっては現在の努力以上の変革を担うことが求められている」と、CIOにとってエキサイティングではあるものの、非常に重要な役割を期待されていると紹介する。 では、実際にCIOがすべきこととはなんだろうか。「まず、経営上、最優先課題を決めることからスタートし、次に社内の効率改善を実現することが求められている。改善した結果、削減したコストをどう再配分するかも重要だ」と説明。「最優先課題は企業によりさまざまであり、現在起こっている金融危機を好機とみる企業もあるほか、守りの姿勢をとる企業もある」と、自社の経営判断に応じて行動できるスキルが求められているとも指摘した。 IBM社内でのCIOの活動内容については、「IBMでは、“企業の統合を実現”“長期的な売上成長を牽引”“イノベーションの活性化”“将来を担うリーダーの育成”の4つをCIOのゴールとして設定している」と紹介した。 まず企業の統合を実現で行われたのが、各部門・地域ごとに分散していたCIO機能の統合だ。同社では10年前には128のCIOに相当する機能が存在していたが、現在ヘネシー氏にすべてを統合している。「統合にあたり重要なのは、各ビジネスユニットと強い結びつきを実現すること。それにより、ビジネスユニット間での競合状態を確認し、長期的な戦略を設定することができる。これができないようであれば、CIOをまとめた意味がない」とした。 また、インフラ面での統合も実施。「データセンターは155から5つに、レガシーアプリケーションは1万6000から4700に、複数社の製品を利用していたネットワークは1社のものに絞るなどの活動を行った。仮想化による統合も行っており、3900あったサーバーはSystem z 30台に統合した。仮想化統合の際に気づいたのが、できるかぎり自動化できるようにすること。ただ仮想化統合すると、手作業が大量に発生するからだ」と紹介した。 長期的な売上成長を牽引という目標に対しては、アプリケーションサービスの再定義などで対応。「アプリケーションポートフォリオを合理化し、世界中のデリバリーネットワークを有効活用できるよう対処した。特にアプリケーションの開発にあたっては、ユニット化することで俊敏な開発が行える“アプリケーションファクトリー”を構築した。これにより、開発期間を20～50％短縮でき、欠陥も低減できた。同じ投資内容でも、より大きなリターンにつながっている」と説明。「また、グローバルで同一レベルのサービスを提供できる体制も構築。これまでは地域ごとの違いを受け入れていたが、これにより世界各地で同一レベルのサービスをお客さまに提供できるようになった」と述べた。 イノベーションの活性化では、Web 2.0やSNSなど最新のテクノロジーを活用し、情報交換を活発化させていることを紹介。「重要なのはイノベーションをプロセスとしてとらえること。いきなりイノベーションがうまれるわけではなく、改善がイノベーションにつながっている。そのためには、アイデアを出し合い、知を結集し、試作・評価を行うことが重要。こうしたプロセスがイノベーションにつながる」と説明。「また、世代により学習方法やコミュニケーションの取り方は異なることも留意しておかなければいけない」と、特定の方法だけでコラボレーションを実現することが危険であるとも補足した。 将来を担うリーダーの育成に関しては、「いろいろな部門との人材交流が重要。知識をどのようにビジネスに生かせるかといった能力が求められているからだ。特にどんな業界においても共通する部門は存在しており、その部門のキープロセスを理解することがCIOに求められるスキル。キープロセスを理解し、どのように簡素化するかがプロセスの自動化につながっていく」とした。 日本のCIOに対しては、「CIOが抱える課題は全世界共通だ。各社CIOの横のつながりを大事にすることで、考えを共有してもらいたい。CIOを対象としたイベントなどもあるので、国内外のCIOと強調することが大切だ」と、同じ課題を抱えるCIO間での情報交換が重要であると指摘した。 ■ ＵＲＬ 日本アイ・ビー・エム株式会社 http://www.ibm.com/jp/ ■ 関連記事 ・ 「CEOはイノベーションの仕組化に高い関心」－IBCS調査（2008/06/19）
（ 福浦 一広 ）
|
