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省エネ団体・CSCIが発足後1年を総括、「活動に対する認知度向上した」


CSCI代表のローリー・ワイグル氏
 クライメート・セイバーズ・コンピューティング・イニシアチブ(以下、CSCI)は11月5日、発足後1年を振り返り、これまでの取り組みを総括する記者説明会を開催した。

 CSCIは、IT電力消費の低減とそれによる温室効果ガスの排出量削減を目的に、2007年に米Intelと米Googleによって発足された省エネ推進団体。CO2排出による環境破壊、気候変動などが叫ばれる中、危機感を共有する各国の企業・団体が自発的な加盟によりコミュニティを形成し、IT業界として環境問題に取り組んでいる。

 具体的には、PCやサーバーといった機器レベルでの省電力化を推進。省電力の基準を設け、ベンダーにそれをクリアした製品を製造するよう要求するほか、エンドユーザーには、そうした省エネ製品を積極的に購入するよう促すことで、需要・供給の両面から環境を保護しようというのが、同団体の特徴である。

 これにより「2010年までに、コンピューティングの電力効率を50%向上し、かつコンピューティングプラットフォームから排出されるCO2を世界全体で年間5400万t削減するのが目標だ」(米Intel、エコ・テクノロジー・グループ本部長でCSCI代表のローリー・ワイグル氏)。


2010年までの目標 地域ごとの進ちょく

初年度の技術的な成果

2年目の重点領域
 今回の説明会では、発足から1年を迎えた現時点での成果報告とともに、2年目における重点領域の説明がワイグル氏より行われた。

 初年度の技術的な成果としては、まず、この1年で多くの製品が基準をクリアした点に言及。同氏によれば、650以上のパワーサプライ、700以上のデスクトップPC、800以上のノートPC、45以上のワークステーションが基準を達成したという。加えて効果測定のため、「エネルギー変換時の損失を計測することでマザーボードの効率を図るプロトコルも作成し、公表することができた」と自己評価。また「CSCIは業界の自発的な活動であるため、政府の取り組みなどと比べて動きが速い。常に今後のロードマップを刷新し続けており、いくつかのメンバーでは、すでに今後の基準を満たしたパワーサプライなどの出荷も開始されている」とフットワークの軽さも強調した。

 日本においては、経済産業省が進めているグリーンIT推進協議会との協力関係も強化され、気候変動対策への取り組みに関する認知度が向上したとのことで、参加企業も続々と増えているという。

 一例としては、設立当初より参加しているNEC、日立、富士通などに加え、クリエイティブ・バンク、ディスコ、ホンダエンジニアリング、ニコンなども参加。そのほか日立国際電気、日立ハイテクノロジーズなども加盟手続き中という。彼らは消費者団体として参加できる「アフィリエイト」メンバーとして、CSCIが定める基準に沿った製品を積極的に購入するとともに、電源管理ポリシー・電源管理機能などを活用することで、環境保護に貢献していくことになる。

 ワイグル氏は「こうした施策により、2010年の達成目標に向けて、活動は順調に推移している」と総括。

 2年目も引き続き「エネルギー効率の高いシステムの認知度と需要を喚起していく方針」(同氏)とした。主にエンタープライズを中心にメンバー増加を目指し、個人および中小企業には積極的な情報発信を開始。その手段として「講演やイベントへの参加やWebサイトの情報充実を図っていく」という。

 さらに会員から要望の多いツールの提供も加速する予定。「CO2排出状況と削減効果を計測するツールや、製品登録のお知らせやカタログを充実させていく」とのこと。

 また、米国環境保護庁が進める「Energy Star」、全米知事会の「National Governors Association」、中国の「電子エネルギー削減推進委員会(CEESC)」などとすでに結んでいる政府・公的機関とのアライアンスを、今後も強化していく意向を見せた。

 なお説明会には、会員企業からインテル、グーグル、スーパーマイクロ・コンピューター、NEC、日立、富士通、マイクロソフトが登壇。それぞれの環境保護活動を通じて、今後もCSCIへ貢献していくと語った。



URL
  クライメート・セイバーズ・コンピューティング・イニシアチブ
  http://legacy.climatesaverscomputing.org/

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( 川島 弘之 )
2008/11/05 16:15

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