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ノーテル、4000万ドルほどのコスト削減に成功したグリーンITの取り組みを説明


Nortel Asia CIOのエリック・ローゾン氏。テレビ会議越しに説明
 ノーテルネットワークス株式会社(以下、ノーテル)は11月17日、米Nortelおよび同社におけるグリーンITの取り組みに関する説明会を開催した。Nortel Asia 最高情報責任者(CIO)のエリック・ローゾン氏がテレビ会議越しにワールドワイドの状況を説明したほか、ノーテル 代表取締役社長のレイ・テスク氏が登壇し、日本における状況を説明した。

 ローゾン氏はまず世界的に消費電力が増大している点に触れ、グリーンITの重要性を述べるとともに、「会社はROIをより重視するようになっている。それはグリーンITの取り組みでも同様」とし、グリーンITから生み出される利益の重要性を説いた。

 続いて「Nortelには59カ国、240拠点が存在し、従業員数は3万1400人、データセンターは11拠点所有しており、年間CO2排出量は最大で31万トンにおよぶ」と、Nortelの環境への影響を説明。これを削減するため、以前より進めてきたグリーンITの取り組みを紹介した。

 ローゾン氏は、「当社では全社的にグリーンITへフォーカスするよう方向性を再定義した」と説明。具体的には、「インフラ関連」「コミュニケーション関連」などの観点でグリーン化を進めてきたという。

 インフラ関連では、「今後2年間で、11拠点のデータセンターをグローバルデータセンター・バックアップセンター1カ所ずつ、計2拠点に統合する計画が進められており、現在すでに7拠点まで統廃合が進んでいる」(同氏)という。これに併せて、サーバー・アプリケーションも統合する予定で、すでに仮想化技術により大幅なサーバー削減が進められており、「以前はサーバー稼働率が18~20%だったのが、現在は60~80%に高効率化することができている」とした。

 コミュニケーション関連では、積極的にユニファイドコミュニケーション化を進めており、「この4年間に、電話会議システムを導入したことで年間500万ドル、テレビ会議システムを導入したことで出張費を年間500万ドル削減できた」と説明。また、「IP電話システムの採用により、オフィスの移転・追加・変更コストを40~70%削減できたほか、ケーブル敷設コストを60~75%カットできた」と述べた。

 さらに「積極的に在宅勤務制度を採り入れたことで社内のフリーアドレス化が進み、不動産コストが年間2200万ドル削減できた」と説明。こうした施策により、「全体で3400万~4000万ドルほどのコスト削減が実現。さまざまなシステムを導入する必要があったが、10カ月でROIが達成できた」とした。


グリーン化に向けたデータセンター戦略 サーバーの仮想化戦略 コミュニケーション関連でのグリーン化

ノーテル 代表取締役社長のレイ・テスク氏
 こうした状況を受けて、日本ではどのような取り組みがされているのか、テスク氏が説明を行った。同氏はまず「京都議定書でも世界をけん引するなど、日本はグリーン化のリーダーシップ。文化的にも長年エコ活動が行われてきたし、設備の改善なども政府が主導する枠組みができている。IT業界だけではなく、多くの業界でエコに注目しており、経営者層も自社のデータセンターの実情を把握してまでエコを検討するようになっている」と、国内のグリーンITの取り組みを評価。

 その上で、ノーテルは、「ネットワーク機器をフル活用したグリーンITソリューション」「ネットワーク機器の統合、仮想化による省電力化」「ネットワーク機器、ボックス単体の省電力化」といったことでグリーンITに貢献しているとテスク氏。「2月にはエネルギー効率に優れたスイッチ新モデルを発表したほか、7月にはエネルギー効率を計算するツールをリリースした」と、ここ最近の日本におけるグリーンIT関連発表を紹介し、「ノーテルでグリーン化を推進することができる」と述べた。

 グローバルの取り組みと連携するほか、日本のおいては特に「在宅勤務」や「ツールを活用したペーパーレス化」などでグリーン化を進めていくという。ほかには、これまでと同様にロングライフタイムの製品を提供していくほか、装置の再利用なども積極的に進める方針とした。


ノーテルが提供するグリーンIT 日本でのグリーンIT関連発表


URL
  ノーテルネットワークス株式会社
  http://nortel.com/jp


( 川島 弘之 )
2008/11/17 17:46

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