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コスト削減にシマンテックが貢献できること-加賀山社長が日本戦略語る

Symantec Vision 2008 Tokyo基調講演

代表取締役社長の加賀山進氏

IT市場の前年比成長率は下方修正へ
 株式会社シマンテックは11月21日、Symantec Vision 2008 Tokyoを開催した。基調講演として代表取締役社長の加賀山進氏が登壇。コスト削減の観点から日本の戦略を説明した。

 加賀山氏はまず、ITの市況について言及。「2008年のIT市場は、前年比で2.5%ほどの伸びとなる見込みが、9月の段階で1%未満の伸びへと下方修正された」とし、コスト削減の重要性が増していると述べた。

 いかにコストを削減できるかに経営者は腐心すると思われるが、ではどこに無駄なコストがあるのか。同氏は、仮想化の水面下にあまり知られていないコスト削減の余地があると語る。「仮想化でサーバーの無駄が解消され始めている。ところが、仮想化に伴う運用・オペレーションのコストに対してはあまり意識が払われていない。Gartnerも『運用管理を考慮せずに仮想化を導入することは、仮想化を利用しないことよりも危険』と言っているように、目先のハードウェアコストばかりに集中すると大変なことになる。運用管理に手を加えれば、まだまだコストは削減できるはずだ」。

 その一例として、仮想化におけるバックアップの重要性を挙げる。「例えば、10個のシステムを仮想化で1つにまとめた場合、バックアップはどうなるか。それぞれのシステムにバックアップの仕組みがある。これをバラバラに運用し続けるのは現実的ではなく、ミドルウェアのレベルで標準化・共通化を行うことが重要」。その上で「シマンテックは、バックアップを確実に行う仕組み、HA、ストレージとサーバー管理をシンプルにするノウハウを持っている。サイロ化したシステムにおけるバックアップ統一化は、米国では当たり前になっているが、日本はまだまだ。当社はソフトウェアベンダーとして、ここでお手伝いができる」とした。

 コスト削減の意味ではまた、「バックアップデータの重複排除も重要」と語る。データ量は2年ごとに倍増しているというが、その上、重複があったとしたら一体どんなことになるか。同氏はUnion Bank of Californiaの成功事例を紹介して、この効果をアピールする。同行では、350カ所の視点のバックアップに重複排除を行った結果、7GBから10MBへ容量を削減できた。また、この作業にかけていた工数を大幅に削減できたほか、テープ装置に費やしていた費用も不要になった」。


コアビジネスを支えるバックグラウンド

ソリューションポートフォリオ

シマンテックの新しい販売モデル
 また「現在ネットワークを流れるメールのうち、80%がスパム。削除する手間などを考えると、スパム対策は有効なコスト削減策となる」と、スパムの領域にもコスト削減の余地があると語る。スパム対策もだいぶ一般化したと思われるが、加賀山氏は「アンチウイルス、アンチスパムはコアビジネスであるわけだが、それを支える壮大なバックグラウンドが当社の強み」とアピールした。

 そのほか11月10日に発表した、仮想化技術を取り入れたアプリケーションストリーミングソリューション「Altiris Software Virtualization Solution(SVS) Professional」を紹介し、同ソリューションによるコスト削減も可能と語る。「企業にはレガシーシステムがたくさんある。Altiris SVS Professionalのストリーミング技術を使うと、これらをまるでWebアプリケーションのように利用することが可能になる。企業内SaaS化ともいうべきこのソリューションによっても、大きなコスト削減ができる」とのこと。

 最後に同氏は、今後の日本での取り組みを説明。「シマンテックはコンシューマ部門では知名度も高い。しかし、企業向けにはまだまだ足りないと思っており、今後はBtoBの分野でも知名度を向上していく。併せて、サービス・品質向上と(パートナーや顧客にとって)仕事のしやすさの向上を図っていく」とした。

 具体的には、「バックアップ・エンドポイントセキュリティ・ストレージ可用性・コンシューマセキュリティのコアビジネスと並行し、アーカイビング・情報漏えい対策・コンプライアンス・ディスクベースバックアップ・仮想化ソリューションなどの新規成長ビジネスにさらに注力していく。加えて、SaaSやエンドポイント仮想化ソリューション、クラウドベースサービスを“フューチャービジネス”と位置付け、市場の立ち上げを行っていく」とした。

 このフューチャービジネスに関しては、「販売モデルも一部変更する方針」だ。具体的には、これまであまり行っていなかった直接販売に手を付ける。「当社はパートナー経由の間接販売が主だが、業界的にも未踏のフューチャービジネスをいきなりパートナーに任せるの酷な話」との考えで、「この分野に関しては、シマンテック自らが販促を行い、市場が立ち上がった時点でパートナーに協力してもらう方針」とした。



URL
  株式会社シマンテック
  http://www.symantec.com/jp/

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( 川島 弘之 )
2008/11/21 17:29

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