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IRMの統合によるメリット
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米Symantec ゲートウェイセキュリティ プロダクト担当シニアディレクタ、ダニエル・グレーブス氏
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株式会社シマンテックは11月21日、情報リスク管理(IRM)に関する記者説明会を開催。米Symantec ゲートウェイセキュリティ プロダクト担当シニアディレクタ、ダニエル・グレーブス氏らが、同社のIRM戦略の特徴を説明した。
グレーブス氏は企業システム管理の課題として、情報量が急激に増加している反面、今まで以上にコスト削減が求められていることを指摘。「あらゆるものが複雑になっているにもかかわらず、コストも時間もかけない。これを1つの機会ととらえ、IRMという分野に着目している」と述べる。
シマンテックのIRMでは、外部からの攻撃に対する防御はもちろん、内部からの情報漏えい対策と、効率的なアーカイブ・検索といった機能を統合して提供することにより、非構造化データを統合的に防御・管理できるようにする狙いがある。グレーブス氏は、「お客さまが、さまざまな分野をシームレスに統合できなくてはいけない。例えば、メールからの情報漏えい対策では、コンプライアンスにより、情報によって保管しなくてはならない期間が異なるため、アーカイブ製品とアウトバウンドのフィルタと連動させなくてはならない。こうしたことから、当社ではさまざまな製品の統合に注力している」と、例を挙げて説明した。
具体的なコンポーネントとしては、メールセキュリティゲートウェイ「Symantec Brightmail Gateway」、アーカイブ製品「Symantec Enterprise Vault」、DLP(Data Leak Prevention)製品「Symantec Data Loss Prevention 9.0」といったものが含まれており、これらの機能を単体で強化するとともに、製品間の連携を図ることによって、競合との差別化を進めるという。
Symantec Brightmail Gatewayでは、まず、メール流量とスパムの増加に対処するため、処理性能を向上させるほか、管理機能の単純化によってデプロイ時や運用時の負荷を軽減するという。また、レピュテーション技術「Adaptive Reputation Management」を利用し、処理リソースをスパム接続ではなく正当な送信者に割り当てることで、より効率的な処理を可能にしている。
Enterprise Vaultでは、データ重複排除技術や検索技術の強化などが図られる。米Symantec メッセージングセキュリティ プロダクトマーケティング担当ディレクタ、ジャック・マスグローブ氏は、「コンプライアンス対応のためにデータを迅速に捜索しなくてはならないのに、同じメールが繰り返し保存されてしまうなどの理由から、データ量が増大するため、探し出すのが難しくなっている」という点を指摘。シングルインスタンス化によって、ストレージ利用量を削減するとともに、検索用のインターフェイス改善、新しいガイドレビュー機能の導入などによって、こうした課題に応えていくとした。
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Symantec Data Loss Prevention 9.0の新機能
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最後のSymantec Data Loss Prevention 9.0は、情報漏えい対策に用いるDLP製品。もともとはSymantecが買収したVontuの製品で、これを用いると、エンドポイント、ネットワーク、ストレージから機密情報が流出するのを防止できるという。
新版では、同じくSymantecが買収したAltirisの技術を用いて、エンドポイントのPCなどに入れ込むエージェントの管理を簡素化できるほか、ほかのエンドポイント向け製品との包括的な管理を実現する。加えて、前述したSymantec Brightmail Gatewayとの統合をサポートし、インバウンド、アウトバウンドの両方のメールを包括して管理できるようにする。また、データ検知の機能を強化し、コンプライアンス違反があるサーバーやリポジトリを集計するコンプライアンスモードを搭載。迅速に違反をチェックすることで、監査へより対応しやすくするとした。
なお、これらの機能強化は、各製品とも2009年第1四半期に提供される新版で実現される予定となっている。
■ URL
株式会社シマンテック
http://www.symantec.com/jp/
ニュースリリース
http://www.symantec.com/ja/jp/about/news/release/article.jsp?prid=20081121_02
http://www.symantec.com/ja/jp/about/news/release/article.jsp?prid=20081121_01
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( 石井 一志 )
2008/11/21 17:30
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