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富士通フロンテック新潟工場
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富士通フロンテックは、ATMをはじめとする金融分野向け製品、POS端末やRFIDタグなどの流通システム製品、空港のフライトインフォメーション装置などの最先端IT関連製品の製造を行う一方、金型製作や、切削加工技術による精密機械加工部品の製造、販売を行っている。これらの生産を行っている新潟県燕市の富士通フロンテック新潟工場を見学する機会を得た。新潟工場の様子を写真を中心に紹介しよう。
富士通フロンテック新潟工場は、1940年に設立した金岩工作所を前身としている。
44年に富士通が資本参加し、蒲原機械工業に改称。その後、富士通機電、富士通フロンテックへと社名を変更したが、新潟工場は、一貫して、同社の製造部門としての役割を担っている。
現在、富士通フロンテックは、東京稲城市に本社およびハード設計部門、埼玉県さいたま市にソフト開発部門、そして、量産工場としての役割を持つ新潟工場という3つの国内拠点を持つ。そのほか、海外に、韓国向け自動機の販売を行う韓国・ソウルのFKM、通帳やプリンタの製造販売を行う中国・上海の富士通先端科技有限公司(FFTS)、自動機用メカユニットの生産などを行うフィリピンのFUJITSU-DIE-TECH(FDTP)を持っており、新潟工場はこれら拠点を束ねるマザー工場としての機能を持っている。
富士通フロンテック新潟工場は、上越新幹線燕三条駅から車で約20分。弥彦山を望むことができる場所にある。
第1工場と第2工場をあわせて、4万2837平方メートルの敷地に、7つの製造棟、事務棟などを配している。
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燕三条駅から車で約20分の距離にある
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富士通フロンテック新潟工場。手前が第1工場、奥が第2工場
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富士通フロンテック新潟工場の概要
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新潟工場の特徴は、2つの顔を持っている点だ。
ひとつは、ATMやPOSシステムなどの最先端IT機器の生産を行っている製造拠点であるという点である。
手のひら静脈認証を採用したATM端末は、国内の金融機関への導入をはじめ、韓国などアジア地域での導入実績も持つほか、POS端末では、最近注目を集めているセルフレジシステム分野にも参入。また、コンビニエンスストアなどに配置するキャッシングステーションや、公営競技向けの自動発払機(トータリゼータ)、医療機関向け診療費自動計算機、自治体向け情報サービスステーションといった機器の製造も行っている。
さらに、RFIDの生産のほか、富士通が販売している電子ペーパー(FLEPia)も新潟工場で最終生産が行われている。
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金融分野で利用される手のひら静脈認証機能付きのATM
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富士通フロンテックが生産するPOSシステム
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セルフレジシステムにも参入している
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流通分野で利用されるハンディターミナルも新潟工場で生産される
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手のひら静脈認証を利用した入退出管理システム
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富士通フロンテックで生産される各種RFIDタグ
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新潟工場でも利用されているRFIDチップを搭載した電子カンバン
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透明シートに貼られたRFID。これをカードなどに応用する
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RFIDをカードに貼ったイメージ
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そして、もうひとつの顔が、金型製作および切削による部品製造である。
自動車用のトランスミッション部品、油圧ブレーキ部品、カーエアコン部品向けの金型を製作。また、レントゲン画像出力装置用フィルムガイドや透析用血液搬送ロータ、手術用超音波メスなどの医療機器用部品や、半導体製造装置用部品、ステッパー用部品などを切削加工で生産。これらを自動車メーカーや医療機器メーカーに供給するという生産である。
複雑な形状の三次元精密絞り金型をはじめとする高い精度が求められる金型技術、切削技術を実現するが富士通フロンテックの特徴のひとつであり、これを実現するための匠(たくみ)の技が、社内には根付いている。
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切削加工で生産されるレントゲン画像出力装置用フィルムガイド
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同じく切削加工された半導体装置用部品
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自動車用のトランスミッション部品
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では写真で新潟工場の様子を見てみよう。
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第1工場での部品受入後の検査工程。開発品を中心に全入荷量の約1割の部品を検査
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蛍光X線分析といった特殊な検査も行う
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ATMの装置部分の生産ライン
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複数の製品を混流生産できる。ちょうど機種変更の指示が出たところに出くわした
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ATMの筐体に、装置部分を組み込みライン
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実際の紙幣を用いた検査が行われている。現金を扱うことと、ノウハウの部分であることから厳重に管理されている
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こうした疑似紙幣を利用しての検査も行われる。折れたり、クシャクシャになったものも検査する
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検査工程に入ったATM
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工場内ではRFIDによる管理が行われている。作業効率は2倍に向上したという
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これがRFID用のアンテナ
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通過させるだけで検品が完了する。180社のサプライヤーでの利用を図る
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金型・部品生産を行う第2工場のB棟
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金型・部品生産のエリア。一転して、町工場のような雰囲気だ
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切削用のドリル。ドリルの材質や形状を工夫することで、他社にはできない切削を実現
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切削された切りくず。細かな切削であることがここからもわかる
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自動切削加工機。求められる精度を実現するために、気温などを考慮した設定をするという
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切削前の金属の固まり。ここから削り出すことになる
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切削加工の研磨工程。精度の高い切削技術が特徴
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刃物やヤスリのような堅いものにも切削加工できる
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金型の数々。自動車メーカーなどからの注文が相次いでいる
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金型の製作に利用する大型のプレス機
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こちらは金型用の小型プレス機
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まさに匠がいることを示す銘板。社内に認定技術者を張り出している。匠としての黄綬褒章受章者もいる
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■ URL
富士通フロンテック株式会社
http://www.frontech.fujitsu.com/
( 大河原 克行 )
2008/11/25 00:00
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