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代表取締役社長の藤井克美氏
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日本アバイア株式会社は12月10日、同社代表取締役社長の藤井克美氏より、2008年のレビューと2009年のビジネス展望に関する説明が行われた。
米Avayaが投資ファンド2社に買収され、非上場企業となったのが2007年の6月。以後、グローバル3カ年改造計画が進行中だ。「2007年10月から始まった2008年度では、新しい経営陣のもと、オペレーションの改善が図られた。それにより、サプライチェーンマネジメントを変革し、約200億円改善できた。また、128もの製品があったが、それを大幅に整理・統合することにも成功した。事業部門でいえば、ユニファイドコミュニケーションとコンタクトセンターの2つにまでまとめ、改革の方向性を明確化できた」(藤井氏)と、確実に改革が進んでいると紹介。「製品を整理したといっても、買収などで重複があったものを統合していったので、顧客に対して提供できる製品が減ったわけではない」と、顧客への影響は起きていないと補足した。
国内に関しては、ワールドワイドを先行する形で2007年度から手を打ってきていると説明。「縦割りになっていた組織をなるべく排除したり、日本独自の味付けを施した製品を開発したり、国内で動きやすい体制を作り上げているところ。」と、日本市場のニーズにあった製品・サービス開発を行っていると述べた。「5年間のサポートを提供しているが、こうしたサービスは日本だけでなくワールドワイドでも求められるもの。現在、本社に対してものをいう文化を育成しており、こうした日本での成功事例を積極的にあげている」と、日本発の製品・サービスを増やしていきたい考えを示した。
実際に海外でも採用された例として、IP電話機「Avaya one-X Deskphone Edition」ファミリ9600シリーズ用のフェイスプレートや、コンタクトセンターのビジュアル化製品「Agent MAP」などを紹介。「フェイスプレートは、企業ロゴやイメージカラーなどを使ってカスタマイズできる点が受け、国内以上に海外ではやっている。Agent MAPは、英語版や中国語版として日本以外の国でも展開している」とした。
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カスタマイズも可能なフェイスプレート
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対応状況を視覚的に確認できるAgent MAP
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2009年の重点施策
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2009年に関しては、オフィス向けユニファイドコミュニケーション、SMB向け施策、チャネル拡充、プロフェッショナルサービスの販売などにより成長をしたい考え。「2008年の売上は対前年比で5%の成長を遂げたが、第4四半期(2008年7~9月)は市況の変化を受け伸びなかった。2009年は10%の成長を目標としているが、経済危機など非常に読みにくい状況が続いており、目標を達成するのはかなり厳しそうだ」と、不透明な市況の影響がどう響くか判断が難しいと述べた。
藤井氏は、「アバイアはコンタクトセンターのイメージが強いが、われわれはコミュニケーションソリューションの提供を通じて、企業の業務効率改善と生産性向上を実現することをビジョンとしている。コンタクトセンターで高いシェアをとっているのも、レポーティングシステムが高く評価されるなど業務効率改善と生産性向上を実現した結果だと見ている。このビジョンを実現した結果として、企業向け通信システムでナンバーワンのサプライヤーとなるよう目指していく」とした。
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会場には、先日発表されたワイヤレスIP電話端末のほか、未発表のスマートフォン向け「Avaya one-X Mobile Edition」などを展示
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コールバックの仕組みを利用することで、社外から内線をかける感覚で通話が可能
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■ URL
日本アバイア株式会社
http://www.avaya.co.jp/
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( 福浦 一広 )
2008/12/10 17:05
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