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米Microsoftのサーバー&ツール部門 エンタープライズ アプリケーション プラットフォーム マーケティング ゼネラルマネージャー、ダン・ノールト氏
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マイクロソフト株式会社は12月11日、SQL Serverに関する記者説明会を開催。米Microsoftのサーバー&ツール部門 エンタープライズ アプリケーション プラットフォーム マーケティング ゼネラルマネージャー、ダン・ノールト氏が、今後実装を予定する新機能などを解説した。
Microsoftでは、SQL Server 2008を8月に発売したばかりだが、ノールト氏によれば、24カ月から36カ月かけて新しい機能を継続的に提供するとのことで、新機能を盛り込んだ「Kilimanjaro(開発コードネーム)」のリリースを2010年上半期に予定。さらに同時期には、データウェアハウス(DWH)ソリューション「Madison(開発コードネーム)」の提供も予定している。
このうちMadisonは、7月にMicrosoftが買収したDATAllegroの技術を利用したものだ。超大規模並列処理を可能にする同社の技術を、Windows ServerならびにSQL Serverに統合。ハードウェアベンダーとのエコシステムにより、何百TBもの巨大なデータベースを構築可能なスケーラビリティを提供するとのことで、11月末にはすでに1兆列のデータベースを扱うデモも実施したという。
ハードウェアは、Dell、HP、Unisys、Bullといったサーバーベンダーに加え、ストレージベンダーのEMCと協業し、アプライアンスを構成する。具体的には、複数の計算ノードとストレージノードに分散処理をさせる仕組みを採用し、単一障害点を持たない構成になった。これについてノールト氏は「DATAllegroの技術を取り入れることで、これまでにないような分散環境を実現できる」とアピールする。
なおDWHアプライアンスは、TeradataやNetezzaの日本法人が国内でもビジネスを行っているほか、米Oracleから「HP Oracle Database Machine」が発表されるなど、競争が激化している分野だ。ノールト氏は、競合に対する優位点として第一にコスト面を挙げており、「SQL Serverはとても低いTCOを実現しているし、ハードウェア、ソフトウェア、管理にかかる価格すべてを考えても、(全体としての価格が)競合より低くなっている。エンドユーザーからしてみると、価格がぐっと下がることになる」と述べた。
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Madisonでは、さまざまなコンポーネントを統合して提供する
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分散処理によってスケーラビリティの確保と単一障害点の排除を実現
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セルフサービスBI機能「Gemini」を目玉機能として提供
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一方のKilimanjaroでは、セルフサービスBI機能「Gemini(開発コードネーム)」が目玉機能として提供される。ノールト氏によれば、「これは、エンドユーザーにより力を与えるために、セルフサービスでの分析を可能にする機能」とのことで、「過去はデータベース管理者を呼んで実行してもらう必要があったが、これを用いれば、エンドユーザーはローカルでデータを扱えるようになる」(同氏)。
またGeminiは、SharePoint ServerやMicrosoft Officeとも統合されており、得られたデータをOffice上で作業をしたり、SharePoint Serverでコラボレーションしたり、といった活用も可能になる予定。こうした特徴について、ノールト氏は、「管理されたセルフサービスBIを使うことで、インフォメーションワーカーの力を広げられる。当社がかかげている『People Ready』というビジョンを実現する上で大きなことだ」とコメントした。なお、Geminiと連携するMicrosoft Office製品は、次期バージョン「Office 14」以降になるため、CTPの提供はそのリリーススケジュールによるという。
■ URL
マイクロソフト株式会社
http://www.microsoft.com/japan/
( 石井 一志 )
2008/12/11 17:45
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