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Asianuxに5カ国目のメンバー、タイのモバイルソフトSI企業が参加


 中国Red Flag Software、韓国HAANSOFT、ベトナムVietSoftware、およびミラクル・リナックス株式会社による合弁会社Asianux Corporationは12月17日(タイ時間)、Asianuxの新しい参加メンバーとして、タイのWTECを迎えたことを発表した。

 Asianuxは、「共同開発」「共同ブランド」「共同サポート」「共同マーケティング」の理念の下、各国に展開されているアジア発のLinuxディストリビューション。ソフトウェア産業の振興に注力するアジア諸国から高い評価を得ており、IDCの調査によれば、2007年には世界第3位のディストリビュータに位置付けられている。

 Asianux Corprationは、日中韓の3社により2006年4月に設立され、2007年7月には各社のLinuxをAsianuxブランドに統一。同年8月には、VietSoftwareが参加し、4社体制で推進されてきた。

 今回のWTECは、5社目(5カ国目)のAsianuxメンバーとなる。同社はモバイルソフトウェアの分野で成功を収める2003年設立の企業。SI業などを軸に公共・法人分野で活躍し、タイの科学技術省が運営する「オープンソース・ソフトウェア・ネットワーク」にも名を連ねる、タイ国内ではOSSの普及に貢献するリーディングカンパニーだ。

 今回のAsianux参加により、これまで取り組んできたオープンソースビジネスに加え、タイ国内に「Asianux Server 3」などを拡販していく方針。WTECのPhiroon Phihakendr社長は、「われわれが5番目のメンバーになれるのは大変名誉なこと。この経済状況下で利益を上げることは困難だが、多くの企業はOSSに真剣なまなざしを注いでいる。Asianuxのビジネスモデルが評価されることは間違いないだろう。先駆けてメンバーとなっている各社より学ぶことは多い」とコメント。

 またミラクル・リナックス 代表取締役社長兼最高経営責任者の児玉崇氏は、「5番目の販売地域としてタイが加わることを心から歓迎する。タイの2008年度エンタープライズ向けソフトウェア市場は1800億円であり、その成長率は年15%に上る。そのうちLinuxの利用や約8%にとどまっているが、今後、正規ライセンスの啓発によりLinuxのシェアは拡大することが期待される。日本でも、250人を超える技術者の研修受け入れを行っている。今後、Asianuxを通じて日本のOSSの技術をタイに伝えることで、タイのOSS発展に寄与できると考えている」と述べている。



URL
  Asianux Corpration
  http://www.asianux.com/
  ミラクル・リナックス株式会社
  http://www.miraclelinux.com/
  プレスリリース
  http://www.miraclelinux.com/corp/pressroom/details/2008/1217_1.html

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( 川島 弘之 )
2008/12/17 17:19

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