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「Documentumで文書管理の自動化・プロセス化を支援する」、米EMCルイス・プレジデント


 企業向けコンテンツ管理製品「Documentum」は、Office文書やWebコンテンツ、マルチメディアデータ、メールなど企業内の非構造化データを一元的に管理できる製品だ。バージョン管理、アクセス管理、チェックイン・チェックアウトなどのコンテンツ管理機能はもちろん、ワークフロー機能も用意されており、ビジネスプロセスを形式化できるのが特長となっている。

 今回、Documentumなど同社のコンテンツ管理兼アーカイブ部門の責任者である、米EMCプレジデントのマーク S. ルイス氏に、日本での展開などを伺った。


米EMC プレジデント、EMCコンテンツ管理兼アーカイブ部門のマーク S. ルイス氏
―Documentumの最新版であるDocumentum 6.5が9月にリリースされました。現在の日本市場についてどのようにみていらっしゃいますか?

ルイス氏
 日本市場はまだ立ち上がったばかりといっていいでしょう。Documentumの対象となる企業では、独自に開発したアプリケーションを使っているのがほとんどです。Documentumは、ビジネスプロセスや効率化など企業向けコンテンツ管理用の基本的な機能が用意されていますので、これを利用していただけるよう提案します。また、パートナーと協力し、独自開発のアプリケーション上でも導入できる機能を提案していきます。

 日本企業の場合、すでにビジネスプロセスが存在し導入されており、他国の企業と比べれば、ビジネスプロセス自体は完成しています。ですので、このビジネスプロセスをいかに自動化するかが課題になります。既存のビジネスプロセスをよりスマートに、そして自動化できるようにするのがDocumentumです。


―Documentumの特長について教えていただけますか。

ルイス氏
 コンテンツを扱うビジネスプロセスはなるべく効率性や管理性を高めたいとおもうでしょう。また、各種規制への対応というのも企業にとっては重要になっています。そこには一定の手続きが存在するものです。Documentumはこうしたビジネスプロセスを最適化し、コンテンツ管理を効率化する製品です。

 具体的な機能としては、コンテンツ管理のリポジトリを提供する基本機能、ワークフローやビジネスプロセスの管理機能、アプリケーション開発のためのプログラミングツール、紙ベースのドキュメントのデジタル化、さまざまな形式でのアウトプットの技術などが用意されています。単にコンテンツを管理するというのではなく、トータルのソリューションを提供しており、そしてそれを自動化するという機能を提供しています。


―SharePointなどとはどう違うのでしょうか。

ルイス氏
 SharePointは、ワークグループレベルでコンテンツを共有するためのツールです。Documentumは、コンプライアンス対応やリテンションといったエンタープライズレベルのコンテンツ管理を実現する製品です。Documentumは、エンタープライズレベルの拡張性を提供しており、そのプラットフォーム上にアプリケーションが用意できるようになっています。SharePointはそのアプリケーションの一部といえますね。


―もう少し具体的に説明していただけますか。

ルイス氏
 保険会社の場合、査定作業というプロセスが存在します。Documentumを使えば、これを促進するようなビジネスプロセスの開発・アプリケーションの開発が可能です。

 製造業の場合、工場設計にかかわる書類をすべて管理するといった使い方にも利用できます。

 個人の医療記録の管理などもそうです。セキュリティを意識しながら、大量の文書を管理しなければいけない分野であり、こうしたところでDocumentumは有効に活用できます。


―Documentumは大企業向けのソリューションという印象が強く、導入するにはハードルが高いようにみえます。

ルイス氏
 たしかにDocumentumはエンタープライズ向けで、中小規模の企業は直接ターゲットとはしていません。とはいえ、エンタープライズ向けだからといって、導入するのにハードルが高くては問題です。

 われわれはAPIをシンプルにしたり、Webサービスを提供するなど、企業にとって使いやすいように改善はしています。使い勝手がよければユーザーがどんどん活用していただけることでしょう。特に日本の場合、独自開発されたアプリケーションを利用しているので、Documentumを使う方がコスト効率がよいと感じていただけるように努力しています。最新版のDocumentum 6.5では、プログラミングタスクが前バージョンで2週間かかっていたものを2日で完了するなどの改善をしています。

 今後も基本的な機能の改善も継続しますが、それぞれの市場にあったソリューションの開発に力を入れていきたいと考えています。箱から出して使えるようになるまでの時間をいかに短くできるかが重要です。市場の目的にあわせることで、これを進めていきたいですね。

 毎日取り扱うデータの90%以上が非構造化データです。企業にとって大きな資産であるそれらのデータをどう扱うかは企業にとって重要なことです。Documentumにより、こうしたデータを最適化して、企業にとっての大きな資産にしていただければとおもっています。


―ありがとうございました。



URL
  EMCジャパン株式会社
  http://japan.emc.com/

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( 福浦 一広 )
2008/12/19 15:24

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