マイクロソフト株式会社は1月27日・28日の両日、ソフトウェア開発者向けのカンファレンス「Microsoft Tech Days 2009」を開催。2日目のキーノートでは、ベータ公開されている「Windows 7」および次期統合開発環境「Visual Studio 2010」などが紹介された。
■ Windows 7で実装された新APIの使い方を説明
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ビジネスWindows本部 本部長の中川哲氏
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Windows 7は、Windows Vistaと同じLonghornカーネルを採用
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開発者を対象にベータ公開されている次期Windows 7は、「心地いい」「気持ちいい」「面白い」と感じるユーザーエクスペリエンスを実現していると紹介。特に画面デザインでは、複雑な情報を一瞬で理解できるのが特長としている。このように、新しいユーザーインターフェイスを採用するWindows 7だが、OSの核となるカーネルはWindows Vistaと同じLonghornカーネルを採用しており、開発者にとってはWindows Vistaと同じという安心感があると同社ビジネスWindows本部 本部長の中川哲氏は説明する。
「Windows 7のコンセプトは、Windows Vistaと同じハードウェアで動作すること。ソフトウェアに関しても同様」(中川氏)と紹介。「Windows 7は新しいユーザーエクスペリエンスが実現できること、WindowsとWebの強力な連携が可能であること、そして互換性やセキュリティなど強固な基盤を実現していることが開発者にとって大きなポイントになる」と、次期OSに対応するメリットを挙げた。
ユーザーエクスペリエンスに関しては、Windows 7で強化されたタスクバーをデモを交えながら紹介。「これまでタスクバー上にはアイコンとアプリケーション名が横長に表示されていたが、Windows 7ではアイコンだけが表示されるようになった。このアイコン上にマウスポインタをあわせることで、現在起動しているウィンドウの内容をプレビュー表示できるのが特長。ここからアプリケーションを操作することもできる」(中川氏)と、直感的に操作できる点を強調。
「タスクバーを右クリックすると表示されるジャンプリストは、履歴表示やショートカットしてタスクバー上にアイコンを残すピン機能などを表示できるもの。このジャンプリストは独自開発しているアプリケーションにも搭載できるもの」と、ジャンプリストの定義方法を紹介した。
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Wordのジャンプリスト。これまでに開いたファイルなどが表示されており、クリックすることで簡単にアクセスできる
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ジャンプリストを実装するためのコード。定義用のシンプルなコードを記述するだけでWindows 7のジャンプリストに対応できる
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また、Windows 7に標準で含まれるペイントなどのアクセサリでも、Office 2007で使われているリボンUIを採用することで、これまで以上に直感的に機能を選択できるように改良されている。このリボンUIに関しても、独自開発しているアプリケーションで簡単に実装できるようになっている。
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ペイントでも採用されたリボンUI
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機能をグループ化してそれぞれ記述することで、リボンUIに対応できる
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そのほか、Windows 7ではタッチパネルインターフェイスに対応。マルチタップなど画面に直接触れることでさまざまな操作が行えるようになっている。このマルチタップなどの機能も独自アプリケーションで実装できる。
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タッチパネル対応PCでペイントを操作している様子。両手を使って絵を描いたりできる
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タッチパネル対応もジェスチャーを定義することで実装できる
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キーノートでは、現在RC1が公開されている次期Webブラウザ「Internet Explorer 8(IE8)」対応サイトの記述方法なども紹介。「Windows 7で標準搭載されているIE8はWebサービスとの連携機能などを搭載している。また、Webページ上の更新情報をツールバー上に保存できるWebスライスなどの機能も搭載しているので、こうした機能に対応したWebサイトもぜひ開発していただきたい」(中川氏)と紹介した。
■ 次世代プラットフォームに対応する統合開発環境「Visual Studio 2010」
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デベロッパー&プラットフォーム統括本部 デベロッパービジネス本部 デベロッパー製品部 部長の近藤和彦氏
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Windows 7やクラウドOSのWindows Azure対応アプリケーションの開発に欠かせないのが、統合開発環境「Visual Studio」だ。このVisual Studioも次世代プラットフォームに対応する最新版「Visual Studio 2010」の開発が進められている。キーノートでは、開発中のVisual Studio 2010の新機能などが紹介された。
Visual Studio 2010では、クラウドアプリケーションの開発環境が提供されるほか、Windows 7対応コントロールの提供といった次世代プラットフォーム対応が図られる。また、プロセッサのマルチコア化に対応できるよう、並列プログラミングにも対応する。そのほか、WindowsアプリケーションやWebアプリケーションなど多様なアプリケーションの開発も引き続き強化されるとしている。
「Visual Studio 2010では、WPFベースに開発環境となるため、リッチな操作性を実現している。たとえば、スタートページをカスタマイズし、プロジェクトの注意事項を表示するといった使い方も可能だ。また、コーディング支援機能やデバック支援といったものも強化されている。開発言語に関しては、VBやC#といった既存言語のほか、関数型言語であるF#に対応する」(同社デベロッパー&プラットフォーム統括本部 デベロッパービジネス本部 デベロッパー製品部 部長の近藤和彦氏)と、統合開発環境としての進化が続いていると紹介。そのほか、UMLモデル図のサポートとコードとの連携、テストの効率化などが図られている。
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Visual Studio 2010ではUMLモデル図をサポート
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手順を確認しながらテストを行うことも可能。エラーが出た個所の画面キャプチャを残すこともできる
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テスト手順をストリーミングとして保存することもできる
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近藤氏は、「Windows AzureおよびWindows 7対応アプリケーションは、現行バージョンであるVisual Studio 2008 SP1を使うことで開発可能。主要なテクノロジーはVisual Studio 2010につながっているので、開発者の皆さまにはこれらのツールを用いて開発していただきたい」と述べた。
■ URL
マイクロソフト株式会社
http://www.microsoft.com/japan/
Microsoft Tech Days 2009
http://www.microsoft.com/japan/events/techdays/
( 福浦 一広 )
2009/01/28 17:18
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