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日立、2008年度第3四半期連結決算は大幅な赤字-通期も7000億円の赤字見込み

情報通信システムのみ大幅増益、HDDも4四半期連続の黒字を達成

執行役専務の中村豊明氏
 株式会社日立製作所(日立)は2月3日、2008年度(2009年3月期)の第3四半期連結決算を発表した。「11月以降の急激な需要に伴って、大幅に売り上げが収縮した。円高も大きく響いた」(執行役専務の中村豊明氏)とのことで、売上高は前年同期比16%減の2兆2605億円、営業損益は前年同期から923億円悪化した145億円の赤字。税引前損益も前年同期から2537億円減で1736億円の赤字、当期純損益は同3835億円減で3710億円の赤字となっている。

 4~12月までの9カ月間の累計でみると、売上高は前年同期比5%減の7兆5711億円、営業利益は同9%減の1825億円、税引前損益は前年同期から2515億円悪化して354億円の赤字化、当期純損失は、5億円の赤字だった前年同期から3564億円悪化し、3569億円の赤字となった。

 セグメント別では、7セグメントすべてで減収、営業利益は情報通信システムを除いた各セグメントが減益。情報通信システムは、売上高が前年同期比4%減の6009億円、営業利益が同269%増の383億円と減収増益。9カ月間の累計でみると、売上高は前年同期並みの1兆8827億円、営業利益が前年同期比414%増の1105億円となり、大幅な増益を達成した。

 情報通信システム内での内訳は、ソフトウェア/サービスの売上高が前年同期比1%減の2725億円。そのうち、ソフトウェアが同8%減の390億円、サービスが前年同期並みの2335億円。ハードウェアの売上高は前年同期比7%減の3284億円。そのうち、ストレージが同9%減の2056億円、サーバーが同35%減の123億円、PCが同27%減の65億円、通信ネットワークが同21%増の358億円、その他が前年同期並みの682億円となった。なお、ストレージソリューション事業(HDD事業を除く)は、前年同期比13%減の830億円となっている。

 ソフトウェアが減少する一方で、サービス部門が堅調に推移し、売上高はほぼ前年同期並みとなった。ハードウェアは通信ネットワークが好調だったものの、ストレージが為替の影響を受けて減少し、前年同期を下回った。「情報通信は全体的にがんばってくれた。特にソリューション部隊は、プロジェクトマネジメントの改善で大きな冒険をした受注がなくなり、常に利益率が高くなっている。ハードウェアも何とか黒字ではあるが、サーバー関連で価格競争が激しく、まだ開発費がかかっている現状だ」(中村専務)。

 HDDは、売上高が前年同期比7%減の1581億円、営業損益は68億円の赤字だった前年から、159億円改善した91億円の黒字となり、4四半期期連続での黒字化を達成した。売上高も、ドル建てでは前年同期比2%増となっている。出荷台数は、民生・情報機器向けの3.5型こそ前年同期比9%減だったものの、民生向けの2.5型が同16%増、サーバー向けが同39%増、エマージング向けが同18%増と着実に増えており、全体でも同6%増の2580万台となった。


 電子デバイスは、売上高が前年同期比13%減の2582億円、営業利益は同60%減の40億円。9カ月間の累計では、売上高が同4%減の8994億円、営業利益は同9%減の326億円。ディスプレイは前年同期並みに推移したが、世界的な半導体関連製造装置の需要減によって日立ハイテクノロジーズが影響を受け、減収減益になっている。

 デジタルメディア・民生機器は、売上高が前年同期比25%減の3093億円、営業損失は前年からさらに11億円悪化し、161億円の赤字となった。9カ月間の累計でみると、売上高が前年同期比12%減の1兆48億円、営業損失が427億円の赤字。「本来は昨年までの構造改革で固定費を絞りつつあり、良くなってくるはずだったが、価格下落と需要減少でマイナスが出た。従来の、白物と空調で稼いでいた部分も減益になっている」(中村専務)。

 電力・産業システムは、売上高が前年同期比15%減の7025億円、営業損益は、333億円の黒字だった前年同期から587億円悪化した254億円の赤字。9カ月間の累計では、売上高が前年同期比1%減の2兆3964億円、営業利益が同61%減の380億円となった。「主に自動車関連の部品事業、また日立建機の悪化が大きく響いている」(中村専務)という。

 高機能材料は、売上高が前年同期比22%減の3765億円、営業損益が前年同期から414億円減り、5億円の赤字となった。これは、2001年第4四半期以来、7年ぶりの赤字という。9カ月間の累計でみると、売上高が前年同期比8%減の1兆2977億円、営業利益が同35%減の683億円となっている。

 物流およびサービスは、売上高が前年同期比26%減の2465億円、営業利益が同20%減の46億円。9カ月間の累計は、売上高が同14%減の8215億円、営業利益が同2%減の163億円。金融サービスは、売上高が同21%減の843億円、営業利益が同60%減の21億円。9カ月間の累計は、売上高が同17%減の2743億円、営業利益が同48%減の96億円。

 国内・海外別では、国内売上高が前年同期比14%減の1兆3014億円、海外売上高が同20%減の9591億円。9カ月間の累計でみると、国内売上高が同4%減の4兆3096億円、海外売上高が同6%減の3兆2614億円となった。国内・国外とも需要の減少がみられ、特に欧州については前年同期比30%減と、大きな落ち込みになっている。

 なお同社では、1月30日に通期連結業績の下方修正を発表している。売上高は当初見込みより8800億円減の10兆200億円、営業利益は同3700億円減の400億円、税引前損失は同6900億円減で3800億円の赤字、当期純損失は同7150億円減で7000億円の赤字と、過去最高の損失を見込む。これに関して、中村専務は、「構造改革の費用と持ち分法の損失、円高による為替差損、株式の評価損などが重なって大きな赤字となったが、一番大きな要因は営業利益の減少と認識している」とコメント。固定費の引き下げを行うとともに、不採算案件・赤字事業の見直し(撤退)などを進めることで、事業の立て直しを早急に図りたい考えを示している。



URL
  株式会社日立製作所
  http://www.hitachi.co.jp/
  2009年3月期第3四半期 連結決算の概要
  http://www.hitachi.co.jp/New/cnews/month/2009/02/0203.html


( 石井 一志 )
2009/02/04 00:00

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