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「不況の今こそ、遊休資産を生かせるSOAがチャンスに」日本プログレス田上社長


代表取締役社長の田上一巳氏

統合後の事業戦略
 日本プログレス株式会社は2月12日、同社代表取締役社長の田上一巳氏より、統合後の事業戦略などに関する記者説明会を開催した。

 日本プログレスは、米Progress Softwareを親会社とする旧ソニックソフトウェア株式会社と旧データディレクトテクノロジーズ株式会社を統合して設立した会社。日本プログレス社長には、両社の代表取締役社長であった田上氏が就任している。また、田上氏は、米Progress Softwareの子会社である日本アイオナ・テクノロジーズ株式会社の代表取締役社長も兼務している。

 同社は、SOA基盤である「Sonic ESB」、無停止配信ソリューション「Sonic MQ」、メインフレームの情報資産活用を行う「Shadow」、バッチ処理やオンライン処理におけるデータベースの高速化を可能にする「DataDirect Connect」、SOAガバナンスを行う「Actional」など、さまざまなニーズに対応するSOA基盤ソリューションを提供している。「全世界で、6万以上の組織、500万以上のユーザー、140カ国以上での導入実績を持っており、主要なビジネスアプリケーションの多くがプログレス製品を使って、データ接続やデータ連携を実現している。とはいえ、各製品は知る人ぞ知る製品だった。これをだれもが知るソフトウェアにすることが、新生日本プログレスの使命」と田上氏は強調する。

 これを実現するために、同社では製品中心から市場中心の戦略をとることを発表。「これまで製品至上主義といえる方針で取り組んでいたが、これはベンダー側の都合でしかない。お客さまのビジネスを解決するプロセスの中で利用される製品という意味で市場中心主義を実現する」と、単体製品の機能を提供するのではなく、顧客ニーズにあわせて問題解決を行い、複数製品を組み合わせたソリューション提供を行う方針を示した。

 「日本プログレスが持つ製品は、これまでの買収戦略によりさまざまな用途に対応できるラインアップとなっている。また、業界標準に準拠しているので、ベンダー依存のないSOAを構築できるのも大きな特長。そのほか、既存アプリケーションに手を加えることなく、柔軟に対応できる点もお客さまのメリットになる」と、汎用な連携プロトコルや柔軟なデータモデル、レガシー統合といった利点を生かして取り組むと述べた。

 「SOAは、米国では60%の企業で導入されているのに対して、日本は20%程度。この要因として、米国ではレガシーシステムの融合でSOAを導入したのに対し、日本ではSOAシステムそのものをフルスクラッチで構築したことが原因ではないか。SOAは遊休資産を生かせるものであり、経済環境が悪化している現在、われわれは大きなチャンスだとみている」と、これから本格的にSOAが普及する認識を示した。

 田上氏は、「日本プログレスという会社に統合したことで、今後はブランドの認知度向上を図るほか、顧客情報の共有も実現できる。また、国内ではパートナーモデルでビジネスをしているので、パートナーにフォーカスしたビジネスを引き続き推進していく。今年度の売り上げは、40%アップを目標にがんばっていく」と述べた。



URL
  日本プログレス株式会社
  http://www.progress-japan.co.jp/
  日本アイオナ・テクノロジーズ株式会社
  http://www.iona.co.jp/

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  ・ ソニックとデータディレクトの両社を統合した新会社「日本プログレス」設立(2008/12/01)


( 福浦 一広 )
2009/02/12 15:59

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