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「シンクライアント・エコシステムでTCO削減に貢献する」―米HP Mark氏


 米Hewlett Packard(以下、HP)は2月11日、APJ地域のパートナーやユーザーを招いたイベントで、XenDesktop 3をバンドルしたブレードPCを発表した。このイベントで繰り返し強調されていたのは、「シンクライアントによってTCOが削減できる」ということだった。HPのシンクライアントソリューション「RCS」でいかにTCOが削減できるのか、HP APJ地域 パーソナルシステムグループ コマーシャルシステムユニット担当バイスプレジデント兼ゼネラルマネージャーのDennis Mark氏に話を聞いた。


HP APJ地域 パーソナルシステムグループ コマーシャルシステムユニット担当バイスプレジデント兼ゼネラルマネージャーのDennis Mark氏
―今回、ブレードPCにXenDesktopをバンドルした意義をあらためて教えてください。

Mark氏
 バンドルは大きなイニシアティブに基づくものです。RCSでは2008年にさまざまな製品強化により、ハードウェア・ソフトウェアを改善し、より高度なマネージャビリティを実現してきました。そんな中で、顧客から多くのフィードバックをいただき、より広範な選択肢を望んでいることが分かりました。Citrixとは長年の付き合いがあり、より強く手を握ることで、もっと多くの顧客をサポートできると考えたのがバンドルの理由です。もちろん、その結果、HPの事業を拡大するという意味もありますが。


―シンクライアントは一時期、クライアントPCからHDDを排除することで「セキュリティを向上しよう」という観点で訴求されました。ただ、それだけではどうしても初期コストが壁となり、導入の十分な動機にならなかったと感じています。今回のイベントは「TCOの削減」という点にポイントが置かれていたように感じますが、TCOの削減というメリットは、どれくらい浸透しているものなのでしょうか。

Mark氏
 十分に理解されているとはいえない状況でしょうね。もっと啓発が必要だと思います。今回のイベントはそのためのものでもありました。プレスを通して読者に伝えてもらう、こうしたイベントを今後も行っていかなければなりません。ただ今回のイベントでも、シンクライアントでTCOが削減できるという意識はだいぶ持って頂けたのではないかと感じています。


―具体的にどうTCOが削減できるのでしょうか?

Mark氏
 では想像してみてください。企業内に膨大な従業員がいて、それぞれにクライアントPCを持っている。従業員ごとに必要なアプリケーションは異なり、利用環境は複雑化しています。一方で、セキュリティパッチは絶え間なくリリースされ、これらを漏れなく管理しようとしたらシステム管理者の負担はどれだけのものになるでしょうか。コストの可視化さえままならない状況だと思います。

 例えば、それほど複雑なオペレーションを行うわけではないチェーン店などでは、サポート要員を東京に1人配置して、日本全国をみることも不可能ではありません。こうすれば、出張やオンサイトサポートに費用が削減できますよね。

 もう1つ、従来のクライアントPCでは、ダウンタイムコストも高くつくものです。クライアントPCが故障したときに、修理に出さなければならないとなると、少なくとも半日くらいは業務が行えなくなってしまいます。トレーダーを例に挙げると、彼らは1分間に何百万ドルの取り引きを行っています。ダウンタイムは非常に高くついてしまいます。

 シンクライアントの場合、端末はただの表示部です。サーバー側で持った従業員ごとのプロファイルに応じて必要な環境を配信しているので、端末が壊れても、空いている席の別の端末からアクセスすれば、とりあえずいつもどおりに業務が行える。こう考えるとTCOの削減は具体的にイメージできるのではないでしょうか。

 以前は確かに、初期コストが普及の壁になっていました。しかし、初期コストはTCOのうち、20~25%しかないと言われています。氷山の下には先ほどの管理コストやダウンタイムコストが隠れているのです。

 シンクライアントでは、「クライアント管理の効率化」や「システムの俊敏性・可用性の向上」によって、「TCOの削減」が可能になるわけです。ただ「セキュリティ」も重要です。顧客情報、IPなどの機密データが漏えいすれば、やはりコストが高くつくということを忘れてはいけません。シンクライアントは、セキュリティに“も”、有効なソリューションなのです。


―一方で、シンクライアントに必要な一式をそろえたパッケージ製品を約850ドルで提供するというのは、初期コストの削減にも取り組むという意思の現れなのでしょうか。

Mark氏
 そうですね。これはかなりインパクトのある価格だと思っています。一般的にユーザーが多ければ多いほど、シンクライアントによるTCO削減効果は大きくなります。初期コストを抑えてエンドユーザーが増えれば、TCO削減効果もどんどん上がっていく。そういう循環が作れればよいと思います。今後も価格を抑える努力はしていくつもりです。


―今回のCitrixとの協業は、パートナー戦略を鮮明にするものでした。具体的に今後はどのような戦略を描いていくのか教えてください。

Mark氏
 HPの信念としては、それぞれの分野で最高のパートナーと手を組む、それも単なるパートナーシップ以上の強力なアライアンスを結びたいと考えています。結果、HPのソリューションが強力になりますから。Citrixがいい例ですが、ほかにもMicrosoftやThinPrint、AMD、AutoDeskなどとのアライアンスが実現しています。

 Microsoftはハードウェア、ソフトウェア含めたインテグレーションができる。ThinPrintは入出力の部分で大事な役割となる。これらの例のように、それぞれその分野で先頭を切るリーダーたちと手を組んでいく、ベストオブブリードの協業が何より重要だと考えています。

 当然ですが、RCSは、顧客のベネフィットを生み出すためのものです。そのためにプロバイダ側としては、単に箱物を売るだけでは不十分です。ユーザーにメリットをしっかり理解してもらいつつ、エコシステムとして、いかにユーザーのニーズを1つのセットにできるか、また、いかにニーズをこちら側で作るかが重要なんですね。

 そういった視点で今後もパートナー戦略を展開していくつもりです。


―ありがとうございました。



URL
  米Hewlett Packard
  http://www.hp.com/

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( 川島 弘之 )
2009/02/13 14:19

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