マイクロソフト株式会社は、2月19日に発表された「法人様向け“Windows 7先行優待キャンペーン”」にあわせ、記者向け説明会を開催。Software Assurance(SA)でのみ提供される次期Windows「Windows 7 Enterprise」の特長を説明した。
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ビジネスWindows本部 本部長の中川哲氏
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Windows 7は、ネットブックなど限定された用途向けの「Windows 7 Starter」、コンシューマ向けの「Windows 7 Home Premium」、企業向けの「Windows 7 Professional」、最上位の「Windows 7 Ultimate/Enterprise」という製品構成。このうち、Windows 7 UltimateとWindows 7 Enterpriseは、製品の提供形態(プレインストールかボリュームライセンス&SAか)の違いでエディション名が異なるが、提供される機能は同じとなっている。同社ビジネスWindows本部 本部長の中川哲氏は、「Windows Vistaでは、Home PremiumとBusinessで組み込まれているツールが異なるなど、わかりにくい面があった。Windows 7では下位エディションの機能を上位エディションが包含するシンプルな構成に変更した」と説明する。
このうちWindows 7 Enterpriseは、ボリュームライセンスでのみ扱われるソフトウェアの保守プログラムであるSAの特典として提供される企業向けWindowsの最上位エディション。企業ネットワークでのアクセス性能やセキュリティが強化されているのが特長。
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Windows 7の製品構成
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アクセス性能・セキュリティ・管理性などが強化されているWindows 7 Enterprise
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Windows 7 Enterpriseで提供される「DirectAccess」は、Windows Server 2008 R2と組み合わせることで、VPNを使うことなく社内ネットワークにアクセスできる機能。ネットワーク共有やイントラネットなどのWebサービスのほか、ビジネスアプリケーションも社外から利用できる。管理者にとっては、企業外にあるPCに対して、更新プログラムやポリシーを適用できるのが利点となっている。
「BranchCache」もWindows Server 2008 R2と組み合わせて利用できる機能で、支店など遠隔地のユーザーに対して、本社と同等のネットワークエクスペリエンスを提供するもの。一度アクセスしたデータをキャッシュすることで、次回以降のアクセス時にキャッシュを利用することで、WANを経由せずに高速にアクセスできるのが特長。Windows Server 2008 R2でキャッシュするHosted Cache Modeと、Windows 7でキャッシュするDistributed Cacheの2つの方法が用意されている。
Windows Vista Enterpriseで提供されていたドライブ暗号化機能「BitLocker」も、Windows 7 Enterpriseで提供される。これに加え、Windows 7 Enterpriseでは、USBメモリなどリムーバブルドライブの暗号化にも対応した「BitLocker To Go」を新たに用意。Active Directoryで回復情報を保存できるなど、管理性も向上している。
そのほか、Windows 7 Enterprise上で実行できるアプリケーションを制御する「AppLocker」も用意。グループポリシーでの設定のほか、電子署名やバージョンなどにより実行制御が可能。これを利用することで、許可されていないアプリケーションの起動を防ぐことができる。
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MDOPで提供される機能
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SAでは、Windows 7 Enterpriseのほか、アプリケーションの仮想化ソフト「Application Virtualization」「Enterprise Desktop Virtualization」などが含まれる「Microsoft Desktop Optimization Pack(MDOP)」も提供されている。中川氏は、「知る人ぞ知るApplication Virtualizationなど、MDOPはアプリケーションの移行時の不安を解消するツールセット。MDOPを導入された企業の6割が大変満足していると回答していただいた」と、Windows 7 Enterpriseが利用できる以外にも、SAを導入するメリットがあると強調した。
【お詫びと訂正】初出時、MDOPを「無償提供される」と記載しておりましたが、正しくは「有償で購入する権利が得られる」でした。お詫びして訂正します。
中川氏は、「SAの認知度は、大企業では高まっているものの、中小企業ではまだまだ不十分。今回のキャンペーンでは、SAの特典のひとつである無償でアップグレードができる点を強調し、SAの導入を促進したい」と語った。
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Windows 7互換性検証ラボの概要
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同社では、Windows 7先行優待キャンペーン以外にも、Windows 7でのアプリケーション動作確認を支援する「Windows 7互換性検証ラボ」も期間限定で開設。現在公開中のWindows 7ベータ版を用いて、検証作業の支援、互換性に関する分析、情報提供などを無償で行う。実施期間は2月20日より5月末日まで。
■ URL
マイクロソフト株式会社
http://www.microsoft.com/japan/
プレスリリース
http://www.microsoft.com/japan/presspass/detail.aspx?newsid=3632
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( 福浦 一広 )
2009/02/19 09:13
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