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代表取締役社長の堀昭一氏
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3カ年計画
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ソフォス株式会社は2月24日、国内戦略発表会を開催。1月に代表取締役社長に就任した堀昭一氏が登壇し、ソフォスのアドバンテージなどを説明した上で、国内での400%成長を目指す3カ年事業戦略を発表した。
英Sophosは、世界150カ国1億人以上のユーザーに、「ウイルス・スパム・スパイウェア対策」「不正侵入対策」「ネットワークアクセス管理」「アプリケーションの使用管理」「セキュリティポリシー管理」といった幅広い対策を提供する法人向けセキュリティプロバイダ。「日本国内でもすでに3500社以上にソリューションが導入されており、特にWindows/Mac/Linux/UNIXといった幅広いプラットフォームに対応している強みから、官公庁や教育・研究機関における豊富な実績がある」(堀氏)。
同氏によればその強みは、「1985年創業以来、Private Companyであること」とのことで、「上場していないため、(株主からの要求などがなく)製品開発や経営のポリシーを継続的に貫いていける。それは製品開発に反映されており、当社製品の特長である“シンプルさ”を生み出す源泉となっている。高水準のデータ保護を実現するには、シンプルさと高い管理性が不可欠。それが当社の強みだ」という。
売り上げも好調で、「2007年の売上高は対前年比で128%、2008年は同140%の成長だった」と堀氏。2008年7月には、英Sophosによる独Utimaco Safeware(以下、Utimaco)買収なども発表されたが、今後は、両者の統合やパートナーとの連携を強化し、さらなる飛躍に向けた取り組みを実施することで、「今後3年間で国内の売り上げを4倍にする」と宣言した。
具体的には、「情報漏えい防止ソリューション分野の強化」「パートナーとの連携による販売体制の強化」といった施策を展開する。前者はUtimacoとの統合によるもの。これまでソリューション展開してきた「エンドポイントの保護」「コンプライアンスおよびシステム保護」に加え、新たにUtimacoの強みであった暗号化やデバイスコントロールを盛り込み、情報漏えいを防止する「インフォメーションセキュリティ」分野を強化する。
ワールドワイドでは、2009年度中にヨーロッパにおける買収を完了させる予定。日本国内では、世界に先駆けてウティマコセーフウェア(以下、ウティマコ)との統合を行い、両社の専門技術を結集させるという。ウティマコの暗号化ソリューション「SafeGuard」をソフォスのユーザーに提案していくほか、SafeGuardの暗号化やデバイス制御機能をソフォス既存製品に順次統合。まずは中小規模事業所向けに、外部と内部からの脅威を防止する統合製品「Sophos Endpoint Security and Data Protection」を2009年春に販売開始する予定とのこと。
一方、パートナーとの連携強化では、関係性をさらに深め、ソフォスとパートナー各社が共存共栄を進められるエコシステムの確立を目指す。支援体制を強めるとともに、「販売パートナーに対しては、一人でも多くソフォス担当者を増やしてもらうようお願いしていく。そうすれば、ソフォスとしては競争力を強められるし、パートナーとしても、当社のビジネスは利益率が高いので、大きな利となる。新規採用の社員ではなく、できるだけ、すでに社内でセキュリティのノウハウを蓄積している既存の社員に担当してもらえるようアプローチしていく」(堀氏)。一方で、潜在ユーザーへの「ダイレクトタッチセールス」も行う。同氏は「当社は100%パートナービジネスだが、重要な顧客に対しては自らニーズを聞いたりする機会が重要」と、エンドユーザーとの付き合いも密にする方針を明らかにした。
こうした施策により、「ソフォス+ウティマコ」のブランディングを迅速に進め、売り上げ4倍増計画とともに、日本国内でSophos売り上げ全体の20%達成を目指す意向(現在は5%ほどという)。その心について堀氏は「全体の20%ほどの規模を占めると、本社からのサポートが良くなる。それにより、パートナーやエンドユーザーへのサービス品質も向上できる」と説明した。
■ URL
ソフォス株式会社
http://www.sophos.co.jp/
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( 川島 弘之 )
2009/02/24 18:39
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