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ソフトフロントの代表取締役社長、阪口克彦氏
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株式会社ソフトフロントは2月4日、日本電信電話株式会社(以下、NTT)ならびにNTTインベストメント・パートナーズ株式会社(以下、NTT-IP)との、NGN(次世代ネットワーク)分野における業務提携を発表。また同時に、NTT-IPがソフトフロントに対し、総額約9900万円の出資を行うことも発表された。この業務・資本提携の背景には、どのような狙いがあるのかを、ソフトフロントの代表取締役社長、阪口克彦氏に聞いた。
NTTTが推進する次世代IPネットワークのNGNでは、固定・ワイヤレス系の通信網が一本化され、電話との乗り入れが容易になるほか、インターネットと比べて高い通信品質やセキュリティがメリットとされている。しかし、「NGNに対する開発者の知識が行き渡っていないほか、仮に知識があったとしても、NGNのアプリケーションを作ろうと思うと、SIPまで含めて作らねばならない。また、検証にも非常に手間と費用がかかるなど、非常にハードルが高い」(阪口社長)のが現状だ。
そこで同社では、NGNにかかわる部分を吸収し、開発者が容易にNGN対応アプリケーションを作成可能なSIP-SDKを、開発コミュニティ「次世代サービス共創フォーラム」の参加者へ無償提供することにした。これを用いれば、「下の細かい通信の部分は考えずに、どういうユーザーインターフェイスでどう見せればいいか、という部分に開発者は集中できる」(阪口社長)のだという。
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NGN対応SIP-SDKを利用すると、NGN特有の煩雑な問題を気にせずに、アプリケーションの開発が可能
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NGN対応SIP-SDKの提供で、事業領域の拡大を狙う
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NGN対応SIP-SDKは、Windows XP/Vistaに対応するWindows用ソフトウェアコンポーネントとして提供され、NGNのセッション制御、音声通話制御、ビデオ通話制御といった各機能を搭載。NTT東日本/西日本が提供するNGNサービス「フレッツ光ネクスト」の環境を利用し、アプリケーションの開発を行える。コーデックは、IP電話で一般的な音声コーデックG.711μ-lawに加えて、NGNならではの高品質ビデオ機能提供を見据え、追加で音声コーデック(G.722)、ビデオコーデック(H.264)などもサポートする予定だという。
このSDKは、開発目的では無償で利用できるが、開発したアプリケーションを販売する場合に、ユーザーあたり500円程度(予定)のロイヤルティーをソフトフロントに支払い、商用ライセンスを取得する仕組みを採用した。これまでの同社のビジネスでは、メーカーや組み込み系のSIerにSDKを有償で販売した上で、さらに製品出荷数に応じたロイヤルティーを受け取るというビジネスモデルだったが、中小のSIer、ソフトハウスなどでは、家電/通信機器メーカーと比べると案件の規模が小さく、1件だけで採算を取るのは難しかったため、なかなか成約につながっていなかった。しかしNGN対応SIP-SDKは無償で提供されるため、料金的なハードルは低くなる。これを積極的に使ってアプリケーションを開発してもらえば、ソフトフロントにとってはビジネスの拡大につながるのだ。
「案件の数はたくさんあるので、1件1件の数は少なくとも合計は多くなり、ロイヤルティーだけでもビジネスになると考え、先行投資的にSDKを提供することにした。また、Windows向けのSDKから入っても、Linux/UNIXベースの専用機がやっぱり欲しい、ということになれば既存の事業とのシナジー効果も見込めるし、SDKのカスタマイズなどの需要もあるだろう。3年後には、億単位のビジネスを見込んでいる」(阪口社長)。
このNGN対応SIP-SDKは5月末に提供開始される予定で、ダウンロード後、ソフトフロントに申請すれば、無償で6カ月間、開発目的での利用が可能。期限が切れた後は、再申請すればさらに6カ月、無償で利用できる。サポートは特に提供しないが、次世代サービス共創フォーラムを通じて開発ノウハウやサンプルアプリケーションの提供といった支援を行うほか、特に希望する開発者に対しては、有償でのサポートなども行うとした。
なお、NTTがNTT-IPを通じてソフトフロントに出資したのも、同社のこうした活動とNTTの目的が合致したからとのこと。「先行投資に必要な資金もNTTから調達できたし、NGNを普及させたいのはNTTも同じで、両社で広報的な活動をしていく。NGN対応SIP-SDKは無償なので、より多くの人が利用することになるだろうし、その中でいいアプリケーションも出てくるだろう。NGNに対しては普及を疑問視する声もあるが、インフラレベルでは着実に広まっており、当社や他社の活動によって開発者が参加してくれば、だんだんはやってくると思う。NGNに対する、目に見えないマインドの部分までを変えていきたい」(阪口社長)。
■ URL
株式会社ソフトフロント
http://www.softfront.co.jp/
プレスリリース
http://www.softfront.co.jp/news/hotnews.html
( 石井 一志 )
2009/03/06 17:55
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