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イージェネラなど3社がN＋1 DRを検証、“DRサイトのクラウド化”を実現か |
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従来、DRシステムを構築する場合、DRサイトにまったく同じシステムを準備するのが一般的だ。システムがnカ所にあれば、合計2n組のシステムをそろえる必要があり、コストは膨大なものとなる。また、それらの半分ほどはまったく使われずに待機しているだけで、平常時では無駄なシステムとなってしまう。 N＋1 DRとは、システムがnカ所にあっても、DRサイトは1カ所で対応可能なシステム。今回、3社は、イージェネラの統合型ハイエンドIAサーバー「BladeFrame」と、その特徴となる「Processing Area Network（PAN）」と呼ばれる仮想化アーキテクチャを応用して、N＋1 DRの実地検証を実施。サービス提供可能なポテンシャルを証明したとする。 PANは、「Processing」「Network」「Storage」のそれぞれを完全に切り離し、独立した「プール」に蓄え、必要なアプリケーションに動的にリソースを割り当てる技術。アプリケーションやその定義情報などを「pServer（論理サーバー）」というものにカプセル化し、ハードウェアから切り離して、SANストレージに保管。必要に応じて、メモリとCPUだけを備えたBladeFrameに割り当てる。ハードウェアはただの箱として用意しておくことが可能となり、ソフトウェアの制約を受けずに、必要な時に必要なアプリケーションを乗せて稼働させられるのだ。 今回のN＋1 DRは、この仮想化技術を応用し、カプセル化したpServer（論理サーバー）のみをDRサイトにアーカイブしておくことで実現する。 例えば、プライマリサイトで障害が起きた場合、DRサイトのSANストレージに保管されていたソフトウェア情報（pServer）を、その場のハードウェア（箱）にインストールするだけで同じ環境が復旧できる。それまではDRサイトのサーバーは空っぽなので、平常時には開発環境など好きな用途に利用することも可能。さらに、別のプライマリサイトで障害が起きたときにも、同じDRサイトを利用して環境を復旧できる。ひと言でいえば、「DRサイトの使い回し（N＋1）」が可能になるのだ。 今回はBladeFrameと3PARのInServストレージを組み合わせた検証が行われた。PANという考え方が必要となるため、イージェネラ製品に限定されるように思えるがが、イージェネラ代表取締役社長の大木稔氏によれば「さらに検証が必要だが、SAN環境であれば、ほかのサーバー製品でも実現できる可能性はある」とのこと。
複数の事業者がサービス提供を開始したとすれば、さまざまなユーザーが入れ替わり立ち替わり、同じDRサイトにそれぞれ独自の環境を復旧させることが可能になるだろう。発表会では「DRサイトのクラウド化」という言葉も飛んだ。確かに、DRサイト側のシステム構成を固定せずに、箱の上にさまざまな環境を柔軟に復旧できるのならば、“場所を意識しない”というクラウドの考え方に通ずる。具体的にどのようなサービスにつながっていくかは未定だが、大木氏は「夏ごろまでには何かしらのサービスを開始したい」とした。 ■ ＵＲＬ イージェネラ株式会社 http://www.egenera.com/jp/ 日商エレクトロニクス株式会社 http://www.nissho-ele.co.jp/ パナソニック電工インフォメーションシステムズ株式会社 http://panasonic-denkois.co.jp/ ニュースリリース（PDF） http://japan.egenera.com/1236846819/Link.htm ■ 関連記事 ・ 3PAR、ボリュームの劇的ダイエットが可能な仮想化ストレージアレイ（2008/09/11） ・ イージェネラ、仮想化技術をコンセプトにしたブレードサーバー（2004/06/17）
（ 川島 弘之 ）
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