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インテルの情報システム部長、海老澤正男氏
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vProによる運用管理状況
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データセンターへのSSD導入を開始している
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インテル株式会社は3月17日、ワールドワイドでの、2008年における社内向けIT投資の成果を説明した。同社では「インテル IT パフォーマンスレポート」を毎年公表し、Intelが全世界で推進しているIT戦略とその成果を公開している。今回の説明もその一環で、インテルの情報システム部長、海老澤正男氏がその取り組みを解説した。
IntelのIT部門は5700名の社員を28カ国66拠点に配置し、150カ所、8万3500名の全社員をサポートしている巨大組織だ。こうした大きな組織を維持していくために、同社では毎年戦略目標をきちんと立てて、それに沿って計画を実行してきた。2008年は「人材」「オペレーショナル・エクセレンス」「ビジネス・ソリューション」の3つが柱となっている。
このうち、「人材」を戦略目標としているのは、「新しいテクノロジーを活用できるかどうかは、人材にかかわっている」(海老澤氏)から。そのために、前年から18%トレーニング支出を増やしたほか、プロジェクト遂行の合理化のため、「プロジェクトは原則として6カ月以内で終了するようにした」(同氏)という。また、同じサービスを提供するのであれば、より安い人件費で実行できるのが望ましいことから、上級管理職へ地域ごとの人件費と人員分布情報を提供。また遊休人員を削減する目的で、プロジェクト間で透明性を確保し、人員を融通する仕組みを盛り込んでいる。
2つ目のオペレーショナル・エクセレンスでは、引き続き総収入に対するIT支出の割合を減らす試みを実施。データセンターの統合を進め、総数を前年より22%減少した75カ所にするだけでなく、サーバーハードウェアを高性能・低消費電力の最新機種へ入れ替え、合計9500万ドルのコスト削減を実現したという。さらに、クライアントPCのvProへの移行も継続し、ワールドワイドで4万台を導入した。vProでは、ネットワーク経由でPCの構成・診断・修理が可能になるため、管理コストの削減が可能。2009年に45万ドル、2010年には90万ドルのコスト削減効果が見込めるという。
目新しいところでは、SSDやWiMAXの採用もトピック。高速で、回転部分がないために壊れにくいSSDを、データセンターストレージや、セールス/マーケティング社員のPCへ導入を開始。故障率がHDDより低く、メンテナンス費用の低減も見込めることから、「今後もメモリ価格が下がってくれば、積極的にSSDを検討したい」(海老澤氏)とした。WiMAXも、国内で約200のデータ通信カードを主に営業部門の社員へ配布しており、高速回線の利用で生産性向上を図るとのこと。
3つ目のビジネス・ソリューションでは、売り上げと収益の双方に貢献するという。具体的な例として、海老澤氏は、新プロセッサ設計時のコンピューティングをIT部門が支えているとした。「最新プロセッサは複雑な構造であり、設計結果が正しく動作するかどうかを検証するシミュレーションにおいて膨大なサーバーが必要だった。しかし、データセンターのリソースをグリッド化することで、これに対応できた」(海老澤氏)。
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2009年は、「業界への影響」を加えた4つの戦略目標で展開する
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なお2009年は、2008年の戦略目標に「業界への影響」を加えた4本柱で展開するという。海老澤氏はこれについて、「当社のビジネスが半導体からITのソリューション提供に変わってきているので、それを積極的に使ってフィードバックを返し、よりビジネスに役立つための協力をする、ということ。入念な検証できちんと動くことを実証し、IT部門が実験台になって、業界の中で、ビジネスに役立つ製品であることを立証しながら進めていく」と説明している。
■ URL
インテル株式会社
http://www.intel.co.jp/
( 石井 一志 )
2009/03/17 17:33
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