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「見えてきたSaaSの課題を解決する」、日本オラクルが最新の取り組みを説明 |
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昨今ではSaaSは活用例も増え、実際に利用されるフェーズになって、その効果も理解されるようになった。一方では、利用が本格化するに従って、課題も浮き彫りになってきた。その、SaaS導入の上での課題となるのは、やはりセキュリティが大きいという。ただし、「実際にセキュリティが問題になることは少なく、壁になるのはセキュリティポリシー。外に置くことが危ないのではなく、外に置かないと決めているお客さまが多い」（藤本氏）とのことで、一般的なSaaSでは、その性質上、この壁を打ち破ることはできない。 また、マルチテナントによる事業者にとっての経済性の高さは、SaaS普及のけん引役となった。しかしその反面、「運用していく中ではパフォーマンスで課題が出る」（藤本氏）点も、ユーザーから見れば気になるところである。加えて藤本氏は、「いったんSaaSへ作ったものを他ベンダーへ移せない、互換性、移植性の問題がある」という点を指摘する。「1年も使っていくと、現状のプロセスはほぼ実装されてくるが、さらに展開しようとすると、業務プロセスが分かれてしまう問題がある。次の展開の方向性に関しては、苦慮まではいかないが、検討されている時期になっている」（藤本氏）というのだ。
パフォーマンスへの要求については、シングルテナントモデルを提供することでこれを回避している。同社では最近、「スタンダードエディション」と、完全に顧客の特性に合わせた運用を提供できる「エンタープライズエディション」とに、シングルテナントのサービスを分割。自社のニーズにあわせて、顧客がサービスを選択しやすいようにした。さらに、ディザスタリカバリ（DR）オプションの提供で、可用性に対する要求にも応えていくという。「単純に、SaaSを便利なツールとして使っていた時と異なり、システムとして使うようになると、こういったサービスも必要だろう」（藤本氏）。 他システムとの連携も含めた次の展開ということに関しても、プロセス連携を支援する「Oracle AIAプロセス統合パック」などを提供する一方で、「SaaSといっても、その上のソフトウェアに価値がない限りは進化しない」（藤本氏）との立場から、SaaSラインアップの強化も図っていく。前者では、3月23日にJD Edwards EnterpriseOneとのパッケージを提供。後者でも、フラグシップとして展開しているCRMアプリケーションを3月2日にバージョンアップしたほか、3月11日にeビリング（電子請求）、3月16日に価格適正化支援のアプリケーションを、相次いでSaaSで提供。今後も。業務システムとしての広がりということを視野に入れて、アプリケーションを強化していく考えだ。 なお日本オラクルが競合となるSaaSベンダーと異なるのは、「他社が自分たちのサービスを軸として展開されているのに対し、当社はサービス事業者の下支えもしている」（藤本氏）ことだという。実績のあるミドルウェア、データベースの各種製品を提供することにより、ほかの事業者がSaaSを提供できる堅牢なプラットフォームを販売することにより、ほかのSaaSベンダーとのコラボレーションも図れるというのだ。藤本氏は、「唯一のSaaSベンダーになりたいわけではない」と述べ、こうした考えを強調していた。 ■ ＵＲＬ 日本オラクル株式会社 http://www.oracle.co.jp/ ■ 関連記事 ・ 日本オラクル、間接販売でのパートナー情報管理を追加したSaaS型CRM新版（2009/03/02） ・ 日本オラクル、SaaSのラインアップを強化し電子請求アプリを提供（2009/03/11） ・ 日本オラクル、提案価格適正化を支援するSaaS型の営業担当者向けツール（2009/03/16）
（ 石井 一志 ）
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