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日本オラクル、組み込みソリューションへの取り組みを説明

トータルソリューションとしての強みをアピール

米Oracle アジア・パシフィック Embedded Business Unit バイスプレジデントのマーク・バートン氏

組み込み向け製品のラインアップ

組み込み向けソリューションの全体像
 日本オラクル株式会社は4月8日、組み込みソリューションへの取り組みを説明するプレスセミナーを開催。米Oracle アジア・パシフィック Embedded Business Unit バイスプレジデントのマーク・バートン氏らが、自社の強みについて解説した。

 バートン氏によれば、組み込み機器用ソフトの54%が納期内に完成できなかったほか、66%のプロジェクトが予算超過、33%が性能・機能要件を満たさないなど、非常に厳しい現実があるという。しかし現実に納期短縮、コスト削減への要求は厳しく、またその一方でアプリケーションがますますリッチになっているため、組み込みソフトの開発は非常に厳しい状況になっている。

 こうした状況に対してOracleでは、別々のモジュールではなく、統合されたプラットフォームを提供することで、組み込みソフトを開発するISVのニーズに応えているという。同社では、Oracle Database、Times Ten、Berkeley DBといったデータベースを提供しており、単一の製品でも高いシェアを持っているが、さらにアプリケーションサーバーなどのミドルウェア製品群、コンテンツ変換やセキュリティ付加などのツールについても、組み込み向け製品を多く取りそろえている。

 加えて、それと連携するバックエンドのアプリケーションも多数持っていることから、トータルソリューションとしての提供が可能になっているのだ。バートン氏はこうした点について、「ソリューションの枠組みを提供することで、コストやリスクを軽減可能だ」とアピールする。

 Oracle自身も、この分野に注力するため、4年前に組み込みに特化したEmbedded Business Unitを立ち上げたほか、OEM/ISVの両パートナーとの関係を強めることで、ビジネスの拡大を図っている。ライセンス販売モデルと異なり、製品出荷数に応じたロイヤルティーモデルを採用することの多い組み込み分野では、パートナーの製品が多く出荷されないと、ソフトベンダー自身が得られる利益も、さほど大きくならない。こうしたことから、同社ではパートナーとの関係を重要視し、その支援体制を整えているとする。

 売り上げも、こうした戦略が実ってか、4年前と比べてAPACで10倍になっているとのこと。さらに、今後もインターネット接続デバイスなどの急激な増加が見込まれており、「長期的に見ても大きな機会がある」(バートン氏)との見方を示している。

 なお採用例は、医療・通信・生産機器などの分野で多いとのことだが、その理由を、日本オラクル システム事業統括 Embeddedビジネス推進部の部長、竹爪慎治氏は「バックエンドの業務システムとして当社のシステムが入っていることが多く、連携する強みが発揮しやすいから」とその理由を説明。こうしたところで、ソリューションとしての強みが生かせるとした。



URL
  日本オラクル株式会社
  http://www.oracle.co.jp/

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( 石井 一志 )
2009/04/08 17:40

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