4月6日に国内でお披露目されたインテルのXeon 5500番台。最大125%の性能向上や、負荷状況に応じて動的に消費電力を制御する自律的な省電力機能、最大2倍の仮想化性能など、「Pentium Pro以来のもっとも重要な製品」とインテルはアピールしている。
ただし、これらの数値はインテルが公表したもの。実際に業務アプリケーションを使った場合も同等の性能が得られるとは限らない。今回、新日鉄ソリューションズ株式会社(以下、NS SOL)が、Xeon 5500番台の実証検証を行った結果を公表。Xeon 5500番台が持つ本来の性能が紹介された。
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実証検証の内容
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今回、NS SOLが行った実証検証は、パフォーマンス検証、仮想化検証、消費電力検証の3分野。パフォーマンス検証では、データベース層の処理におけるプロセッサの基本性能とミドルウェア層でのシステム全体での性能を検証。仮想化検証では、仮想化支援機能の効果を仮想化ソフトと組み合わせて検証。消費電力検証では、システム全体での実消費電力を検証した。
データベース層での基本性能検証では、Xeon 5500番台搭載サーバーとXeon 5300番台(開発コード名:Clovertown)を比較。Oracle Databaseを用いてショートトランザクション、高スループットのデータベースアクセス処理を検証した。
検証結果を見ると、Xeon 5300番台が10000TPSだったのに対して、Xeon 5500番台では17000TPSを実現している。また、Xeon 5500番台に搭載されているハイパースレッディングを有効にした場合、23000TPSにまで向上している。
ミドルウェア層での性能検証では、オラクルのJavaベースのデータグリッド製品「Oracle Coherence」を用いて、Xeon 5100番台(開発コード名:Woodcrest)と比較。Oracle Coherenceの並列処理にXeon 5500番台のマルチスレッド処理が適合したほか、新しいメモリサブシステムやQuickPathテクノロジーなどシステム全体で改善した効果により、スループットが12倍向上する結果となった。
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データベース層での基本性能検証
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ミドルウェア層での性能検証
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仮想化検証は、Xeon 5100番台と比較。仮想化ソフトとして、Xen 3.1とXen 3.3を用いて、仮想メモリ操作を対象にどの程度のオーバーヘッドが発生しているかが検証された。Xen 3.1とXen 3.3の違いは、Xeon 5500番台に搭載されたEPT(Extended Page Tables)などの仮想化支援機能への対応の有無。
検証結果を見ると、Xeon 5500番台でXen 3.3を実行した場合、ネイティブ環境と大きな差が出ないまでにオーバーヘッドを削減。その結果、Xeon 5100番台をネイティブで動作させるよりも高速になるという結果が出ている。ちなみに、Xeon 5500番台でXen 3.1を実行した場合は、仮想化支援機能に対応していないため、大幅にオーバーヘッドが発生している。
消費電力検証は、ミドルウェア層の性能検証と同一環境下で、システム全体の諸費電力を測定する形で実施。結果は、同一のスループットを出すために必要な電力は8分の1まで低減したとしている。
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仮想化検証
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消費電力検証
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業務役員 ITエンジニアリング事業部長の大城卓氏
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検証結果のまとめ
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今回の実証検証を行ったNS SOL業務役員 ITエンジニアリング事業部長の大城卓氏は、「これまでも新製品が出るたびに、実証実験を行って評価を行っていたが、Xeon 5500番台の性能は正直驚いた。たいてい、メーカーが発表する数値はあてにしていないのだが、実際に評価結果としてそのまま出た。特に仮想化性能は非常に興味を持った。というのは、過去のCPUでも仮想化支援機能は用意されていたが、実際に評価してみるとほとんど効果がなかった。それが、Xeon 5500番台ではネイティブに限りなく近い性能が出たからだ」と、Xeon 5500番台の仮想化支援機能を高く評価。
「NS SOLでは、クラウドコンピューティング時代のITインフラとして、absonneを提供している。このabsonneは、ハードウェアリソースを提供するだけでなく、エンジニアリングサービスとITマネジメントサービスをあわせて提供する、ユーティリティデータセンターサービスといえるもの。今回の実証検証の結果、Xeon 5500番台がクラウドコンピューティングのインフラに最適なプロセッサであることが確認できた。現在、システム導入に向けてハードウェアベンダーと調整中」(大城氏)と、同社のクラウドサービスで採用する考えを示した。
大城氏は、「小規模企業の場合、Xeon 5500番台搭載サーバーに切り替えるメリットがどれくらい得られるのかわからないが、エンタープライズクラスの企業であれば導入効果は明らか。われわれが行ったように、実際にXeon 5500番台を搭載したサーバーで評価することをおすすめする」と、パフォーマンスの向上、仮想化機能の向上、消費電力の削減など、古いサーバーを使い続けるよりも買い替えることで得られるメリットが大きいとした。
■ URL
新日鉄ソリューションズ株式会社
http://www.ns-sol.co.jp/
インテル株式会社
http://www.intel.co.jp/
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( 福浦 一広 )
2009/04/16 16:29
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