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ルート塚田社長「企業のRSS化をお手伝いする」
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今回のゲストは、FBSのメンバーでもあり、最近では『RSSマーケティング』(インプレス刊)という著書を出版するなど、RSSというキーワードにこだわり続けるルート・コミュニケーションズ社長の塚田さんにお話を伺いました。RSSあるいはRSSフィードと呼ばれる技術はWeb 2.0の血液である、というのがFBSにおける共通認識です。塚田さんはいわば、その血液をサラサラにしていくことをビジネスモデルにしたパイオニアの一人です。
■ B2B型RSSサービス「RSS suite」
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株式会社ルート・コミュニケーションズ代表取締役の塚田耕司氏
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―まず、自己紹介をお願いできますか?
塚田氏
ルート・コミュニケーションズの社長をしております。ルートは1996年10月に設立しました。ずっとなにをやってきたかというと、というか今でもやっていますが、企業のWeb制作を中心としたマーケティング支援をしてました。それからメールマーケティングや開発受託も。
ただ、受託ばっかりやってると飽きるんですね。事業的には悪いことはなく、安定するし、クライアント企業のご要望に添うものを作るのも楽しいんですけど、3~4年前から自分のサービスを作りたいと思い始めていたんです。そこで考えたのがRSS suiteというサービスです。
―RSS suiteはB2Bのモデルですね?
塚田氏
ええ。B2Cは今までの事業とは違うので、やはりB2B的な志向のビジネスモデルを考えましたね。行き着いたのがRSSで、2004年後半に思いつきました。メールマーケティングの支援事業をやっていたといいましたが、2000年過ぎからメールマガジンの効果がどんどん落ちてきたと感じていました。スパムの問題やプライバシーの問題でメールの効果の低下が目に見えてきたんです。その代替案というわけではないですが、RSSを使えばなにかできる、RSSは面白いと思うようになってきました。そこで作ったのがRSS suite。RSS生成を簡単に行うことができるサービスです。
―RSSを用いるビジネスモデルにもいろいろあると思います。RSS生成にこだわった理由は?
塚田氏
着眼点は、そもそもRSSの流通量が増えるという観点です。今では企業が発信する情報もRSSを抜きには考えられない状況になってきています。ところが、それぞれの企業はRSSをどうやって生成するのか? と考えました。例えば大企業であれば、CMS(コンテンツ・マネージメント・システム)という、Webサイト構築ツールを使ってサイトを作ることができます。100%サイトをCMSで作っていれば、全体をRSS化することは簡単です。でも、実際には企業のサイトはFlashや手作業が絡み合っているだけに、すべてがCMSでRSS化できるわけではないんです。だから、それを使えばRSSを出せるというツールを作ろうと思った。効果測定もあればなおよし。ASPとして使えればもっといい、と。
―なるほど。収益モデルはどうでしょう?
塚田氏
RSS suiteは2005年5月に正式版としてサービスをスタートしました。RSS suiteの基本契約は初期費用が10万円、月額5万円です。登録ユーザー数で上下するプライステーブルになっています。
―販売方法は?
塚田氏
直接系と、広告代理店に売っていただいています。Web制作会社にも売ってもらっています。
―RSS suiteの機能について教えてください。
塚田氏
基本機能としては4種類です。まずサイトをクロールしてRSS化する機能。メールをRSS化する機能。ブログやCMSのRSSを受け取って効果測定できるようにして再配信するトラッキング機能。それと手作業でURLを入れてRSS化するという機能です。追加機能としては、今後CSVやデータベースなど、あらゆる情報をRSS化するような機能を開発することも検討しています。
―競合他社も多いと思うのですが、いかがでしょう?
塚田氏
見方によっていろいろあるんですけど、確かにそうですね。サイドフィード、XFeed、FeedBurnerなどが常に意識しているところですね。まあでも、サイト情報をRSS化したいという波は最近強くて、市場全体が大きくなってきているので、競争はあまり考えてはいないですね。
■ CGMと企業をつなぐ
―Web 2.0時代と呼ばれていますが、現状をどうとらえていますか?
塚田氏
企業のマーケティング支援という観点でいうと、やっぱりCGM(コンシューマ・ジェネレイテッド・メディア)というか、ユーザー側のボトムアップで発信されるRSSがどんどん多くなっていることを意識せざるを得ません。ユーザーが発信する情報の波に企業側がどうやって耐えるかというところなんですね。今まではマスメディアから垂直にメッセージを落としていればよかったわけですが、いまはユーザー側から大量のデータがボトムアップ的に発信されてきています。それを押さえ込んではいけない。それをどう有効利用するかが問題です。それを支援するのがルートのWeb 2.0的なアプローチといえるでしょうね。ルートは、ユーザーが出す情報のボトムアップ=CGMと、企業側との相性を良くする役目を負うと思います。我々の強みは、開発会社であることで、お客さんのサイトのWeb 2.0支援を総合的にできることですね。
―Web 2.0的なサービスとして注目している企業は?
塚田氏
「kizasi」というシーエーシーさんがやっているサービスが気になっています。面白いですから、ぜひ見てください。テクノラティのようにWeb上の口コミを集めてくるサービスなんですけど、日本語の特長をうまく拾ってきていて注目しています。
―早速見てみます。最後にRSSマーケティングの市場が爆発するのはいつになるかを占っていただけますか?
塚田氏
そうですね。ベタですけどIE7が出ることが起爆剤になるんでしょうね。ある程度のユーザー数がいないと、マーケティングを仕掛けても結果につながりませんし。
―分かりました。今日は長い時間ありがとうございました。
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小川 浩(おがわ ひろし) フィードパス株式会社 COO。1996年、デル、ゲートウェイの代理店としてマレーシアにて日系企業および在住邦人向けのPC通販ベンチャーを創業。1999年9月にアジアと日本をまたがるSNSを開始。その後日立製作所にてコラボレーションウェア「BOXER」を立ち上げたのち、ネットビジネス・プロデューサーとしてサイボウズにジョイン。ブロガーとして「Web2.0 BOOK」「ビジネスブログ」シリーズなどの著作がある。 |
2006/02/07 09:00
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