ウイングアーク、2009年度の製品ロードマップと新ソリューションコンセプトを発表


代表取締役社長の内野弘幸氏
SVF for PDF SOA Editionの製品概要
SVF for PDF SOA Editionの製品概要

 ウイングアークテクノロジーズ株式会社(ウイングアーク)は4月20日、2009年度の事業方針について記者説明会を開催。今後の製品ロードマップを明らかにするとともに、新たなソリューションコンセプトとして「OPM(Output Performance Management)」を発表した。

 今回の事業方針説明会開催にあたり代表取締役社長の内野弘幸氏は、「経済環境悪化の影響を受けて、当社もこれまでのようの右肩上がりの成長は難しくなった。ただ、その中でも昨年度は前年横ばいの業績を維持できる見込みで、それだけ当社製品への信頼が高いことが認識できた。本年度は、こうした厳しい時期だからこそ一歩踏み出して事業領域の拡大にチャレンジし、プロダクトだけでなくサービス、ソリューションを含めた投資効果の高いソリューションモデルを提案することで、ユーザーのコスト削減を支援していきたい」とし、2009年度は事業のターニングポイントともいえる重要な年になると強調した。

 製品ロードマップとしては、コスト削減、セキュリティ、プラットフォームに主軸をおいた帳票基盤製品を順次投入していく計画で、その第1弾として本日よりSOA対応PDFエンジン「SVF for PDF SOA Edition」を販売開始する。

 SVF for PDF SOA Editionは、日本IBMと共同開発を行い、「IBM WebSphere Application Server」と連携して提供するもの。「SVF for PDF」を帳票出力エンジンとするSVF帳票サーバーで、SOAPのインターフェイスを装備しており、SVFによって生成される表現豊かな帳票機能をSOAのサービスとして組み込むことが可能となる。J2EEや.NETのアプリケーション、リッチクライアントやSaaSなどSOA、Webサービスの標準であるWSDL、SOAPに対応したシステムとの連携/通信を行い、業務にあわせて最適化されたHigh Grade PDFを生成することができる。

 同製品によって、業務アプリケーションごとに検討していた帳票ツールを基盤化し、Webサービスで連携することで、アプリケーションの開発言語に依存することなく、より短期間に、より低コストでの開発・導入が可能となる。また、再利用性が高いため、運用費用の圧縮によるIT投資の抑制を図ることもできる。税別価格は、ライセンス、構築サービスをあわせて500万円から。

RDE eXtend Archiverの製品概要
マーケティング部 部長の谷口功氏

 続いて、第2四半期にかけて帳票大容量アーカイバー「RDE eXtend Archiver」、第2四半期中に帳票基盤ソリューションの新バージョン「SVF Ver.8.2シリーズ」をリリースする予定。RDE eXtend Archiverは、RDE(Report Director Enterprise)で一定期間保存されたデータを長期間保存するためのアーカイブツール。アーカイブされたデータに対して、検索・表示・印刷などが可能となる。また、RDEから権限設定のリンクや操作の実行ログ取得機能なども備えている。一方のSVF Ver.8.2シリーズでは、各製品でコスト削減、セキュリティ、プラットフォームをテーマにした機能追加/拡張を実施する。

 このほか、第2四半期後半にTIFF図面PDF変換エンジン「SVF for TIFF図面」、第3四半期には.NET対応版となる「SVF for .NET Framework」などをリリースしていく予定。

 さらに今回、これら製品ロードマップに加えて、企業のアウトプットの適正化を図る新ソリューションコンセプト「OPM」を発表。マーケティング部 部長の谷口功氏は、「当社にとって第4世代のコンセプトとなるOPMでは、従来まで主力で展開してきた帳票関連プロダクトを軸にして、各種サービスを組み合わせ、企業のアウトプット全般に対してコスト削減と業務現場の生産性向上を実現するソリューションを提案し、競争力強化を支援していく」と説明した。

 OPMは、1)バリュー・エンジニアリング手法によるコスト削減を提案する「OutPut Assessment」、2)システム最適化を提案する「OutPut Optimize」、3)効果検証と効果の最大化を行う「Value Maximize」、の3ステップで構成され、この一連のソリューション展開によって、出力コストの削減、ビジネススピードの向上、内部統制強化、さらには社会環境活動としてCO2の削減を図ることが可能となる。

第4世代コンセプトのOutput Performance Management(OPM)OPMが実現する項目OPMのソリューション概要



(唐沢 正和)

2009/4/20 18:16