2008年の国内仮想マシンソフト市場は50%超の成長-IDC Japan調べ


 IDC Japan株式会社は4月23日、国内仮想化ソフトウェア市場規模予測を発表した。それによると、2008年の国内仮想化ソフトウェア市場規模は298億円(前年比31.6%増)、2013年には734億円に達する見込みとしている。

 2008年のバーチャルマシンソフトウェア市場は、前年比54.2%増の156億円。サーバー統合やレガシーシステムの利用といった用途のほか、仮想化を標準基盤とした運用管理の効率化・可用性の向上など活用フェーズにシフトしつつあるとしている。今後、サーバー仮想化のほか、デスクトップ仮想化まで適用範囲が拡大すると見ており、2008年から2013年までの年間平均成長率は26.1%、2013年には498億円に達すると予測している。

 また、デスクトップやアプリケーションの仮想化に関しては、2008年は前年比13.2%増の141億円。金融業や官公庁・自治体、教育機関において、シンクライアントを含めたクライアントセキュリティソリューションとして導入が進んでいるとしている。2008年から2013年までの年間平均成長率は10.8%、2013年には236億円に達すると予測している。

 同社ソフトウェア マーケットアナリストの入谷光浩氏は、「景気後退によるIT投資の削減が予想される2009年は、ユーザーのコスト削減効果に対する評価がより厳しくなることが予測される。こうした状況化において仮想化は有望なソリューションであるが、サーバー台数の削減のような短期的なコスト削減のみならず、運用の効率化による中長期的なコスト削減をより明確にし、定量的に示すことがユーザーから求められる。ベンダーは、仮想化の効果を十分に引き出すための仮想環境に対する運用管理ソリューションの強化を図ることで、今後の仮想化ビジネスのより一層の拡大につなげることができる」とコメントしている。



(福浦 一広)

2009/4/23 15:10