NEC、オープン技術を採用した企業向けUCソフトウェア


 日本電気株式会社(以下、NEC)は4月27日、企業向けユニファイドコミュニケーション(UC)ソフトウェア「UNIVERGE Sphericall」を発表した。2007年7月に買収した米Sphereのソフトウェアコミュニケーション領域の技術と、自社のIPテレフォニー関連の技術を融合させた製品。すでに米国と欧州では発売されており、政府自治体、製造業、サービス業などで200システム以上の導入実績を持っている。国内での販売は同日より開始される。

 UNIVERGE Sphericallは、IP電話、ボイスメール、IM(インスタントメッセージ)、ビデオ/音声会議など、リアルタイムコミュニケーションツールを統合するソフトウェア。PCサーバー上で稼働し、SIP、MGCP、XML、SOAP、WSDLなどのオープンな技術を採用しているため、コミュニケーション機能を利用する業務アプリケーションを、容易に開発・拡張可能という。また、既存のコミュニケーションシステムを生かしたまま、企業内のコミュニケーション手段を統合でき、設計変更、機器の設定変更、移転工事などの費用を抑えて、UCシステムの構築を行える特徴を持つ。

 さらに、ソフトウェアベースの製品であることから、従来コミュニケーションシステムで必要だった専用ハードウェアの削減を実現。システムの運用・保守などの費用を抑えるとともに、IT管理者の負担を軽減できるとのこと。

 加えて今回は、顧客に対するUCソリューションの提案、パートナーに対するアプリケーション開発支援を目的に、自社内の体制を強化した。まず、従来展開してきたUNIVERGEパートナープログラムを拡張し、「UNIVERGE Sphericall」を利用したアプリケーションやサービスを提供するパートナー向けのプログラムを新設。組織面では、企業ネットワークソリューション事業本部内に「第二企業ネットワークソリューション事業部 UCシステム部」と「UNIVERGEサポートセンター」を設置し、業種別ソリューション/サービスを提供する組織と、横断的に提案・サポートを行う体制を整えている。

 UNIVERGE Sphericallの価格は、100ライセンス構成で100万円(税別)から。5月8日の出荷開始を予定している。




(石井 一志)

2009/4/27 11:52