さまざまなデータをフロントエンドでつないで再利用する「BDES」


 株式会社ビーコンITは5月5日、あらゆるデータ・情報を組み合わせて活用する「BeaconIT Data Empowerment Suite(以下、BDES)」を発表した。同日より提供開始している。

 BDESは、さまざまなデータを連携させる製品。データをその役割の範囲で抽出・加工することで、「つながる範囲」で「可能な限り」の連携を利用者に最も近い「フロントエンド」で行うことが可能という。

 例えば顧客、営業活動、契約、出荷、サポートなどに関するデータがあれば、これら情報の用途ごとに1つのデータベース、1つの画面を用意し、ポータルのようにフロントエンドでつなぐことが可能。「ひとまずつなぐ」をコンセプトに開発されたもので、これにより情報活用のバリエーションが飛躍的に向上するとしている。

 例として「社員検索」「顧客検索」「商品検索」によるデータがあった場合、フロントエンドでつなぐことで、社員検索と顧客検索のデータを組み合わせた「担当者検索」や、顧客検索と商品検索のデータを組み合わせた「購入者検索」が可能。あるいは、すべてのデータを組み合わせて、社員検索から担当顧客、購入製品を一度に表示するなど、さまざまなデータ活用が実現するという。。

 この方法により、クラウド/SaaSとイントラネットとの連携も可能になる。同社によれば、企業内のデータと“雲の向こう”のデータはつなげたくても、密に連携させることが困難なことが少なくないが、フロントエンドでの完全な疎結合とすることで、データの場所は関係なく柔軟にデータを連携させることができるのだという。

 核となるのが、UFJISと共同開発したエンタープライズポータル「InfoScoop」。そこで生まれたAjaxによる「非同期通信」と、独立したアプリケーションを同じ画面上で動作させる「ガジェット」に関連するテクノロジを利用している。

 価格は、1CPU・4コアまでで600万円/ライセンスから。同社では初年度10件の販売をめざす。


(川島 弘之)

2009/5/8 18:36