ぷらっとホーム、基本性能やWeb GUIを強化した手のひらLinuxサーバー


OpenBlockS 600
アプリケーションマネージャ機能の画面イメージ

 ぷらっとホーム株式会社は5月12日、小型Linuxサーバーの新モデル「OpenBlockS 600」を発表した。従来製品と比べてハードウェア性能を強化したほか、Web GUIによる管理機能を強化している点が特徴。参考価格は5万9800円で、同日より販売を開始する。

 OpenBlockSシリーズは、ぷらっとホームが独自に開発した小型Linuxサーバー。手のひらに載る大きさでありながら、高い堅牢性を備えており、通信キャリアにおける監視サーバー、IAサーバーの代替など幅広い用途で利用されている。また、アプライアンスのベースハードウェアとしても、NECソフトウェア北陸の印刷制御アプライアンス「印刷制御BOX netBlade」、ソフトクリエイトのネットワーク監視アプライアンス「L2Blocker」など、10数例の採用事例があるという。

 今回提供されるOpenBlockS 600は、OpenBlockSシリーズの最新モデル。CPUをPowerPC 405EX(600MHz)に、メモリを従来比8倍の1GBに強化している点が特徴で、堅牢性については、故障の要因となるファンやHDDを搭載しない設計を継承。一枚基盤の採用、コネクタレス設計によってさらに信頼性を高めている。OSは、プリインストールされている「SSD/Linux」以外に、Debian、Ubuntu、Fedoraをサポートし、広範なアプリケーションに対応する。

 消費電力は8Wと低く、IAサーバーからのリプレースを行えば大幅な消費電力の削減が可能。インターフェイスは、1000BASE-T/100BASE-TX/10BASE-T×2とUSB、シリアルの各ポートを備えている。

 また、使い勝手の良くなかったWeb GUIを全面的に刷新し、ネットワーク設定やグラフィカルモニタ機能によって、特別なノウハウを持たないエンジニアでも操作を行えるように改善した。加えて、アプリケーションやミドルウェアをGUIから導入可能な「アプリケーションマネージャ」機能を導入したことで、迅速かつ容易にソフトウェア機能が追加できるようになっている。ソフトウェアは、DNS/DHCP/NTP/Syslogといったネットワーク管理向けの機能、「PacketiX VPN」「Hinemos」といったサードパーティ製のアプリケーション、Perl/PostgreSQLなどのオープンソースバイナリを収録する。なお、サードパーティ製のアプリケーションについては、ぷらっとホームがライセンス販売も行う。

 ぷらっとホームではこの製品によって、従来は比較的ITスキルが高かったユーザーにのみ受け入れられていた状況を改善し、より広いユーザー層へOpenBlockSシリーズをアピールしたい考え。また性能の向上によって、WebアプリケーションサーバーやWeb/メールフィルタリング、パケットキャプチャといった、高い処理能力を必要とする用途に対しても訴求していくとしている。


(石井 一志)

2009/5/12 10:00