DNP、1枚に多機能を集約できる「FeliCa 9KB」搭載ICカードなど


 大日本印刷株式会社(以下、DNP)は5月14日、「FeliCa 9KB」搭載および「FeliCa Lite」搭載の非接触ICカードを開発したと発表した。前者は5月13日より、後者は秋ごろより販売開始する。

 FeliCa 9KB搭載ICカードでは、データ容量が従来の2倍以上となる9KBのFeliCaチップを搭載することで、多くの機能を1枚に集約することが可能。従来の身分証、入退室管理、電子マネーなどの機能に加えて、指静脈や手のひら静脈認証、顔認証など複数の生体認証機能なども1枚のカードに付与できる。

 また、通信アンテナ設計のノウハウを生かして、金融機関との提携カードのように、券面にカード番号や有効期限、氏名、会員番号など最大4けたのエンボス加工にも対応できるという。

 価格は、1万枚で1枚あたり500円。

 FeliCa Lite搭載ICカードでは、データ容量を抑えたFeliCa Liteを搭載し、セキュリティなど用途に合わせた機能に絞ることで低価格化を実現。データ容量を制限しているが、データ書き換えの可否を任意に設定できるため、第三者による改ざんなどは防止できる。一定のセキュリティレベルを維持したカードとして、会員証、ギフトカード、ポイントカードなどに最適。

 また、かざすだけでWebサイトやメモ帳、カレンダーなどのシンプルな機能を表示できるウィジェットを起動する「FeliCaランチャー」、あるいはWeb上でポイントやクーポンの情報を読み書きできる「FeliCaネットチャージ」などの新サービスと組み合わせることで、企業はエンドユーザーに対して、店舗とネットをつないだ効果的なプロモーションが可能だとしている。

 価格は、100万枚で1枚あたり100円。DNPでは今後、今回のICカードに関連製品をあわせ、2011年度までに30億円の売り上げをめざす。


(川島 弘之)

2009/5/14 15:31