デル、多彩なカスタマイズに対応する法人向けネットブック「Latitude 2100」

Latitude 2100

北アジア地域 公共事業マーケティング本部 クライアントソリューションマーケティングマネージャ、垂見智真氏

シンクライアントとしての利用にも適しているという

　デル株式会社は5月20日、公共機関・法人向けのネットブック「Latitude 2100」を発表した。特に、教育機関での利用を踏まえた機能を搭載している点が特徴。価格は5万6385円からで、同日より販売を開始する。

　Latitude 2100は、主に法人・公共市場に向けて提供されるネットブック。Atom N270（1.60GHz）、1024×576ドット表示可能な10.1型液晶など一般的なネットブックに近い性能を持つが、ネットブート型シンクライアントとしての利用にも適したGigabit Ethernet、教員が生徒のネットワーク使用を確認しやすくした「ネットワークアクティビティライト」を搭載するなど、「教育機関で求められる高機能や柔軟性を実現した」（北アジア地域 公共事業マーケティング本部 クライアントソリューションマーケティングマネージャ、垂見智真氏）点が特徴という。

　BTOに対応しており、OS（Windows XP Home/Vista Home Basic）、ストレージ（80/160/250GB HDDと16GB SSD）、無線LAN、カラー（黒/赤/青）、バッテリ（3セル/6セル）、キーボード（日本語/英語）、タッチパネル液晶などを選択可能。BluetoothやMicrosoft Office、Webカメラ/マイクの有無などもカスタマイズできる。なおメモリは、OSがWindows Vista Home Basicの場合に限り2GBの標準構成に対応。OSも、教育機関からの要望などに限定して、Windows XP Professionalに対応する。

　直販価格は、一例として、Atom N270、1GBメモリ、80GB SATA HDD、IEEE 802.11b/g無線LAN、3セルバッテリ、Windows XP Homeといった構成で5万6385円。Atom N270、2GBメモリ、250GB SATA HDD、IEEE 802.11a/b/g/n無線LAN、Bluetooth、6セルバッテリ、タッチパネル液晶（Webカメラ/マイク付き）、Windows Vista Home Basicといった構成では8万2215円。

　インターフェイスは1000BASE-T/100BASE-TX/10BASE-T、3-in-1カードリーダ、USB 2.0×3、VGAなどを搭載する。サイズと重量は、265×187×22.5～39.9mm（W×D×H）、1.32kg。バッテリ駆動時間は3セルバッテリ装着時で約3時間、6セルバッテリでは約6時間とのこと。

　スペックに表れないコンシューマ向け製品との違いとしては、1年間のライフサイクルを確保している点も特筆できる。垂見氏は「他社では3カ月単位で製品が変わることも多いが、教育機関・法人ではモデルチェンジのために検証の必要性が生じ、コストが発生してしまう。Latitude 2100では1年間モデルチェンジをしないため、計画に合わせた長期的な導入が可能だ」とこの必要性を説明した。

　なお、デルが教育機関での採用を意識した製品を提供する背景には、教育市場の高い成長率がある。垂見氏によれば、教育機関での全PCに占めるネットブックの比率は、今後5年のうちに3割を超えると予測されているほか、学生専用の製品に対しては高いニーズがあるとのこと。しかし現在のネットブック市場はコンシューマベースで作られており、このニーズを満たす製品がないため、デルでは教育市場での活用を踏まえた製品を提供することにしたという。

　米Dellでは2010年度に組織変更を実施し、ワールドワイドで事業領域ごとにビジネスユニット（BU）を再編。バーチカルな視点に基づき、単なる製品ハードウェアの提供にとどまらない、ソリューションの提供に力を入れることを明らかにしている。北アジア地域 公共事業本部 執行役員 統括本部長の郡信一郎氏は、ITを活用することで、教員と生徒の双方向のコミュニケーションを推進したり、物理的な枠を超えて世界中の知識に触れられるようにしたりする「CONNECTED CLASS ROOM」構想を、教育市場向けに推進したい考えを示し、Latitude 2100もそのための重要な要素であると説明。垂見氏は一例として、ネットブックを用いたネットワークブート型シンクライアントや、仮想デスクトップ型ソリューションなどを紹介していた。