Windows Server 2008 R2はWindows 7と同時リリース

OEM専用のWindows Server 2008 R2 Foundationも提供

 マイクロソフト株式会社は5月21日、次期サーバーOS「Windows Server 2008 R2」に関するプレス向けのラウンドテーブルを開催。米Microsoftコーポレートバイスプレジデント、Windows Server&ソリューションズ部門担当のビル・レイン氏が出席し、Windows Server 2008 R2の強化点・製品構成などの説明が行われた。

米Microsoftコーポレートバイスプレジデント、Windows Server&ソリューションズ部門担当のビル・レイン氏

 Windows Server 2008 R2は、現行のサーバーOS「Windows Server 2008」のマイナーバージョンアップとなる製品。マイナーバージョンアップではあるものの、Windows 7と同じカーネルを使用しており、プラットフォームとしての基本性能は向上。また、今回の製品から64ビット版のみ提供されるのも異なる点。

 強化点について、レイン氏は、「バージョンアップしたHyper-V 2.0を搭載するなど、仮想化機能を大幅に強化。Hyper-V 2.0ではゲストOSで64コアまでサポートしたり、ダウンタイムなしで仮想マシンを移動できるLive Migrationを実現するなど、スケーラビリティを向上している。また、管理面では、電源管理機能を強化。インテルやAMDのプロセッサの機能と連動することで、省電力性を向上している。また、機能強化したPowerShell 2.0や、サーバーの役割の設定項目をチェックしてアラートを出すBest Practices Analyzeなど、管理の自動化を促進する機能を用意している。そのほか、IIS 7.5やServer CoreでのASP.NETサポートなど、Webプラットフォームとしての機能も強化している」と説明。

 プラットフォームとしての強化点については、「256コアのサポートをしたほか、VHDブートにも対応。また、DirectAccessやBranchCacheなどWindows 7とあわせて利用することでさらなる機能向上も実現できる」と、Windows 7との親和性の高さも強調した。


Windows Server 2008 R2で用意された新機能Windows Server 2008 R2の製品ラインアップWindows Serverのロードマップ

 Windows Server 2008 R2の製品ラインアップは、現行とほぼ同様。異なるのは、4月に発表されたOEM専用のエディションであるFoundationが、今回より正式ラインアップに含まれた点。レイン氏は、「Foundationは、1000ドル以下のローコストサーバーを対象とした製品。これまでWindows Serverを利用していなかった層に向けたものであり、サーバー市場でWindows Serverを普及する役割を担っている」と述べた。なお、Windows Server 2008 R2 Foundationの国内展開については、現時点では未定。

 Windows Server 2008 R2の提供時期については、「年内に提供する予定であることを発表している。現在、Windows 7と同時にリリースできるよう作業中。提供形態によって、同時に入手できないかもしれないが、RTMは同時に行う予定」と、Windows 7と同時にリリースするとした。





(福浦 一広)

2009/5/21 12:45