ISID、SAP ERPのデータ連携を容易にする「BusinessSPECTRE」新版


 株式会社電通国際情報サービス(ISID)は5月21日、SAP ERPシステム用データ連携ソフトの新版「BusinessSPECTRE(ビジネススペクトル) Ver.2」を発表した。またこれに関連して、企業のシステム環境や利用用途に応じたデータ連携機能を提供する2製品もリリースする。

 BusinessSPECTREは、SAP ERPデータをノンプログラミングで外部データベースに抽出/転送するソフト。ISIDによれば「SAP ERPには特殊なデータが含まれており、外部システムで活用しようとすると、多大な個別開発コストが発生する」という。BusinessSPECTREでは、こうした特殊データも考慮の上で外部に抽出。受発注、調達、生産管理、会計などさまざまな業務情報のリアルタイム共有を実現するSAP ERPシステムにおいて、多角的な利用を支援する。

 新版では、SAP ERPへのデータ入力を容易にする機能を実装し、SAP ERPを中核とした双方向のシステム連携を従来より簡易にした。具体的には、従来からのバッチによるデータ抽出に加え、SAP ERPへデータ入出力を実現する「Business Application Programing Interface(BAPI)」経由のリアルタイムデータ投入を実現。データ抽出処理の高速化や、並列処理時の安定化など基本部分の強化も図り、SAP ERPと他システムとの連携に伴う導入期間やコストの削減を可能とした。

 併せて「BusinessSPECTRE BatchInput」や「BusinessSPECTRE RealTime」といった関連製品もリリース。前者は、SAP ERPシステムへデータを大量に投入する仕組みをノンプログラミングで構築するソフト。例えば、マスタ登録や伝票登録などのデータ投入に際して、必要な各種ロジックを作成し、SAP ERPのデータベースを起動可能。これにより、従来よりも簡単な操作で大量データを投入できるため、業務の効率化が図れるという。

 後者では、Microsoft .NET上のアプリケーションからSAPデータの参照を実現。.NETプログラムからSAPクエリを実行するため、ユーザーは一般的なデータベースにアクセスするような手順で、リアルタイムにSAPデータを活用可能になるという。

 価格は、BusinessSPECTREサーバーライセンスが800万円(2CPUまで)。BusinessSPECTRE BatchInputサーバーライセンスが400万円(同)。BusinessSPECTRE RealTimeは、サーバーライセンスとユーザーライセンスのどちらかを選択できるようになっており、価格がそれぞれ200万円(同)、50万円(5ユーザーまで)。


(川島 弘之)

2009/5/22 17:53