日本CA、サービス・マネジメント製品群の最新版

6製品に統合・簡略化し、ITサービスのコスト削減と効率化を支援

CA Service Managementの製品体系
サービスマネジメント・ソリューション営業部長兼インフラマネジメント・ソリューション営業部長兼PPMソリューション営業部長の川崎晃司氏

 日本CA株式会社は5月25日、ITサービスのライフサイクル全般にわたるコスト削減と効率化を実現するサービスマネジメント製品群「CA Service Management」の最新版を同日より順次出荷すると発表した。

 CA Service Managementは、構成管理データベース「CA CMDB」、サービスオペレーション「CA Service Desk Manager r12.1」、ITクライアント管理「CA IT Client Manager r12」、IT資産管理「CA IT Asset Manager r12」、サービスカタログ管理「CA Service Catalog r12」、IT管理会計「CA Service Accounting r12」の6製品で構成される。

 これまで同社では、企業の抱えるさまざまな課題に対して、それぞれ個別のツールを提供していたが、「今回の最新版では、ITサービス運用のさらなるスリム化、効率化を支援するため、多数ラインアップしていたツール群を6製品に統合・簡略化した。各製品は、従来のツールを組み合わせただけでなく、機能統合・強化を図っており、ITサービスをより有効に活用できるようになった。さらに、CMDBを中心に6製品を体系化することで、ITのライフサイクル全般を管理することが可能となる」(サービスマネジメント・ソリューション営業部長兼インフラマネジメント・ソリューション営業部長兼PPMソリューション営業部長の川崎晃司氏)としている。

 また、同社の推進する“Lean IT”戦略の重点ソリューションとしてCA Service Managementを位置づけ、今後、日本市場への拡販展開を推進していく方針。川崎氏は、日本市場での販売戦略について、「まず、4月1日付でService Management専門部隊を新設し、社内の営業組織を強化した。さらに、パートナーとの協業に加え、エンドユーザー担当営業による提案活動を積極展開するとともに、顧客事例の活用促進およびほかのCA製品との連携によるトータルなソリューション提案にも力を注いでいく」考えを示した。

 各製品の特徴は、構成管理データベース「CA CMDB」は、CAのサービスマネジメント製品に加えてサードパーティの構成情報も統合し、構成アイテムの関係性や変更を維持・記録する。CMDB Visualizer機能を利用することで、ITサービスの構成や構成アイテム同士の関係を可視化することが可能。これにより、変更がもたらすITサービスの問題を未然に防ぎ、影響をコントロールすることができる。今回初めて日本語化を行い、国内向けに提供される。


CA CMDBのアーキテクチャCA CMDB Visualizerの画面

 サービスオペレーション「CA Service Desk Manager r12.1」は、インシデント・問題・構成・リクエスト・変更といった各プロセスを有機的に管理し、ナレッジの有効活用、サービス品質の計測・レポート・分析を行う。これにより、ITサービスの品質を記録・維持し、根本原因を改善できる。今回、CA CMDBとの統合を実現することで、問題の影響範囲や根本原因分析、変更の監査証跡が可能となり、サポートの品質向上とリスク低減を支援する。また、ソフトウェアのITIL対応状況を判断する独立系認定機関Pink Elephant社から、7つのプロセスにおいてITIL V3ベースの「PinkVERIFY」認定を取得している。

 ITクライアント管理「CA IT Client Manager r12」は、サーバーやクライアントPCの進展、インベントリ、ソフトウェア配布、およびサポート部門による遠隔保守を支援することで、資産の保守性を高め、ソフトウェア脆弱性による利用者の業務断絶を防止し、無駄な運用業務を削減する。

 IT資産管理「CA IT Asset Manager r12」は、IT資産の申請から配布、破棄までのライフサイクルにわたって、資産の構成情報、利用ソフトウェア、所有者、所在、利用状況、リース情報を追跡することで、資産の有効活用およびコンプライアンス維持を支援する。また、従来の資産インベントリ管理ではなく、所有や財務の観点からIT資産のライフサイクルを管理することにより、調達や取得の重複、遊休資産の放置、ベンダー契約の更新漏れや利用ライセンス超過の発生などを防止できる。

 サービスカタログ管理「CA Service Catalog r12」は、複雑なIT部門の業務やプロセスをわかりやすく整備し、利用部門と共有することで、サービスのワークフローをコントロールすることができる。サービスの提供状況やコスト発生状況を可視化し、無駄なプロセスの削減と業務効率化を実現する。また、CA CMDBとの連携により、ITサービスとIT資産の関係を明確にすることが可能となる。

 IT管理会計「CA Service Accounting r12」は、IT運用に管理会計手法を導入し、サービス依頼から提供までの流れとコストを計測、可視化する。CA Service Catalogと強固に連動しており、サービスカタログで定義したITサービスを財務面から管理できる。さらに、CA CMDBとの統合によって、ITサービスの利用にともなうコストを、資産の観点からも詳しく確認できる。

 製品価格は、CA CMDBが導入・構築しやすいコストパフォーマンスの良いシンプルなライセンス体系を採用。参考価格は、最小10ユーザーで税別600万円から。CA CMDBを含む最小25ユーザーで税別1680万円から。なお、出荷開始は、CA CMDBが5月25日からで、それ以外の5製品は6月下旬を予定している。



(唐沢 正和)

2009/5/25 17:27